福井保久の二十四節気考

あけましておめでとうございます。
干し芋のタツマの“ほのか”と“れお”です。
本年もよろしくお願いいたします。

今年の1月5日は旧暦で12月8日、この日は小寒(二十四節気)です。

今シーズンは丸干し芋用の原料芋が多いことから、どこの農家でも丸干し芋がはやくも干し場に並んでいます。

丸干し芋は天日干しだと3週間以上は仕上がるまでにかかるために、干し場を塞いでしまいます。
そこでお正月休みの時間を利用して年末に丸干し芋を蒸かしました。

干し芋は手作りで作られますが、その工程の中で一番手間がかかるのは皮むきです。
形も大きさも異なる原料芋を掴むと崩れそうになるまでトロトロに蒸かして、熱いうちに皮むきします。

丸干し芋は小さい原料芋を使うので、簾(すだれ)一杯にするためには、何十個もの芋の皮を剥かなければなりません。

小さい芋が原料といっても丸ごと一つの芋を乾かすのには、時間がかかります。
表面はすぐに乾き始めますが、芯の部分まで水分が抜けるのには約1ヶ月、中心部分から水分が表面に行きわたってからになります。

寒さは年明けからが本番です。
冷え込んだ夜と、晴れても気温が低い昼間の日差しの中で徐々に乾くことで丸干し芋に甘さがのっていきます。
この時期こそ丸干し芋の作り時です。
ますます丸干し芋が干し場に並んでいきます。

福井 保久