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2015年7月の“お宝ほしいも”

畑を一年間休ませて、天然たい肥の「銀河の星」を入れて育てた安納芋を干し芋にしました。2年がかりで作った干し芋です。

岐阜県で昔から作られていた、かぼちゃ芋を干し芋産地で有機栽培で作りました。

有機農業は、サツマイモ本来の生命力を引き出さないと、収穫量が極端に落ちてしまいます。
何故なら病害虫に負けてしまうからです。
生命力を引き出すのが必要条件としたら、草取りが十分条件になります。

どんなに苗を逞しく育てても、つると葉が伸びる前に畑が雑草に覆われてしまえば、伸びていくことができません。
そこで十分条件の草取りは、この時期の最も重要な作業です。

雑草は非常に逞しく、また、多種多様です。
サツマイモよりも早く伸びる草もあれば、畑を覆うように育つ草、天に向かって伸びる草等様々です。
一雨降った後に気温が上がれば、すべての畑で一斉にあっという間に伸びてきます。
多勢に無勢とはまさにこのことで、雑草と草取りの追いかけっこです。

そこで、出てくる草を取るだけでは手が回りませんから、草を抑える工夫をします。

畑の表面を何かで被うことをマルチと言います。
黒いビニールを畝(うね)に張ったり、畝の間を稲藁で被ったりして抑草をしています。

それでもサツマイモのつると葉や稲藁の隙間をぬって出てくる草が後を絶たずそれを手取りしていきます。

草取りは、芋の葉が畑をある程度占有するまで(光合成で実が育つための栄養を作ることができるまでに葉が育つまで)、続くことになります。

その後も雑草は伸びてきますが、それは悪いことだけではありません。

生命力を引き出すのは病気にかからないため、雑草対策は光合成ができる状況を作るためです。
有機サツマイモ栽培ではこの後もうひとつの困難があります。
それは、芋虫です。

折角雑草を抑えてまでして、伸びることが適った葉が、芋虫にいとも簡単に食べられてしまうのを防がなければなりません。

一般栽培では、雑草は除草剤、病気は消毒で対処します。
芋虫も発生したら殺虫剤です。
不都合があれば除外するのが基本の考えです。
だから、一般栽培の畑には、常にサツマイモしか存在していないに近い状態です。

サツマイモしかないということは、芋虫には格好の条件になっているので、大量の芋虫が集まります。

これが有機栽培の畑では、サツマイモ以外に、雑草があります。
雑草は多種類ですので、多様な環境になっています。
すると、芋虫以外の小動物も生息するようになる、そうなると鳥やモグラも寄ってきます。

面白いもので、そこまで来ると芋虫だらけにならないのです。

6月と7月は草取りの真っ最中です。
なんとか芋ができるように葉が伸びるまで草取りしますが、どうしても間に合わないで雑草に負けてしまう畑もあります。
でもそれはそれで良しとします。

案外その畑では芋虫被害がなく、雑草に負けてはいてもそれなりに育つこともあります。

最近では、すべてこちらの都合が良いように進ませようなんて虫が良すぎると考えるようになりました。

今月は、有機かぼちゃ芋の平ほしいもです。
夏に頑張って草取りした畑で育った有機かぼちゃ芋が原料です。

かぼちゃ芋は、人参芋に近い干し芋に適したサツマイモです。
お楽しみください。

2015年7月3日 株式会社タツマ 福井保久