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2016年8月の定期宅配お宝干し芋今月の定期宅配干し芋を発送しました

干し芋産地の主力品種「玉豊」が上出来にできた年に作った、薄切りほしいもです。

簾(すだれ)に並べるのが大変です。

スタッフから、「あまり作りたくない」と言われている干し芋です。

薄切りにすることで、弾力がありながら、やわらかい玉豊ほしいもに仕上がりました。

一個の原料芋から、普通の平ほしいもよりも多くの枚数ができるので、簾が余分に要りますが、乾きは良い干し芋です。

タツマ干し芋の中でも、とても珍しい干し芋です。

約60年という長い年月にわたり、玉豊(たまゆたか)は茨城産ほしいもの主力品種だったのですが、ここ数年作付け面積が減っている品種です。
その理由は、“夏の高温化”と“産地の土壌に合わなくなってきた”ためで、作付け面積が徐々に減少しています。
代わりに紅はるかの生産が増えています。

玉豊とともに、干し芋産地の主力品種が「いずみ」です。
正確に言うと、いずみは昭和13年に品種開発されていて、玉豊は昭和35年に品種登録されていますから、いずみの方が古い品種です。

しかしながら、玉豊が主力品種になってからは、作付け面積の9割が玉豊、残りがいずみという状況でした。
何故なら玉豊の方が、いずみよりも圧倒的に収穫量が多いからです。

甘味こそいずみに譲りますが、収穫量が多い他に、ほしいも加工がしやすいことも玉豊が主力だった理由です。

しかしその玉豊は、その年の気候により品質の違いが大きいので、ほしいも適正に優れた新しい品種の「紅はるか」の作付けが増えています。

いずみと紅はるかは、気候の変動があっても高品質の干し芋の原料芋に育ちます。
そして紅はるかは玉豊並みまではいきませんが、いずみよりも収穫量が多いので、結果として紅はるかの作付けが増えています。

しかしながら玉豊は長年主力品種であっただけあり、気候さえ合えば、高品質な干し芋の原料芋に育ちます。

今月の「玉豊薄切りほしいも」は、玉豊に合った気候の年に作られた玉豊を原料にして干し芋加工したものです。

良い年の玉豊は、とても甘く仕上がります。
そして食べていると甘味がしみだしてくるような味わいの干し芋です。

その玉豊を薄切りほしいもに加工しました。

通常の平ほしいもは9mmでスライスしますが、玉豊薄切りほしいもは6.5mmでスライスしています。

玉豊よりもいずみや紅はるかの方がやわらかい干し芋になりますが、薄切りにすることで、同じかそれ以上のやわらかさになります。

けれど、薄切りは蒸かして皮むきしスライスした芋を簾(すだれ)に並べるのがとても大変です。
高品質の干し芋加工のポイントのひとつは、トロトロに蒸かすことです、9mmでも並べるのが大変なところ、それよりも薄いので、慎重に慎重に簾に並べて作りました。

薄切りほしいもは、定番にするほどはとてもではないですが作れません。
今月の玉豊薄切りほしいもも、お宝ほしいも用としてしか作りませんでした。

数多くの種類があるタツマ干し芋の中でも、とても珍しい干し芋です。

2016年8月5日 株式会社タツマ
福井保久