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2016年12月の定期宅配お宝干し芋今月の定期宅配干し芋を発送しました

紅はるかの特性を一番活かすとしたら、手間が掛かっても“四切り芋”に加工することです。

糖度が高い紅はるかは、仕上がりも他の品種より日数が掛かります。
ですからより甘さは凝縮されます。

干し芋最高峰の「茨城産いずみ」と同等の甘さが「茨城産紅はるか」にはあります。

畝(うね)の深くまで芋が埋まっているので、手で試し掘りして、だいたいの目安を掴みます。
そして掘り取り機の設定をします。

四切り芋は生産量が少ない干し芋です。

今年の夏も、ほしいも産地も、暑い夏でした。
私が干し芋を商売にしてから30年程経ちますが、ほしいも産地の夏もそして冬も確実に温暖化しているように感じます。

今年も干し芋作りがそろそろ始まる時期ですが、以前は11月後半にスタートしていた干し芋作りも今では11月末もしくは12月からというのが一般的になっています。

そして苗を植える時期も10日は早くなっていますし、夏の30℃超えは珍しくなくなっています。
その影響もあり干し芋産地では作付けするサツマイモに大きな変化が出てきました。
その最たるものが「紅はるか」が増えたことです。

毎年新しい品種のサツマイモが開発されますが、ほしいも用として定着する品種はほとんどありません。
既存の品種はそれだけ干し芋に適していて産地の気候風土に合っているからです。
しかし、その条件のひとつの気候が変わってきていることから変化が起き、それが紅はるかの作付け面積が増えているということにつながっています。

永い間ほしいも産地の主力品種は「玉豊(たまゆたか)」でした。
ほしいもにして美味しい、収穫量が良い、加工適正がある、保存性も良い、からです。
もちろん産地の気候風土に適していたわけですが、夏の暑さが玉豊に合わなくなってきました。

しかし、玉豊よりも干し芋に適していて、ほしいも産地に合う品種はなかなかありませんでした。
ところが紅はるかは玉豊と同じくらいに干し芋用として優れたサツマイモだったことから、現在定着しています。

まず紅はるかは干し芋にとても適したサツマイモです。
糖度が高い品種でそれはもちろん甘くて美味しい干し芋の原料芋ということです。
しかもやわらかく仕上がります。

そして、産地の気候風土にも合っています。
夏の暑さも歓迎ですし、ほしいも産地の土壌にも合っているので、ほしいもの原料になる大きさまで育ちます。

ただ難を言えば、細長く生長する特性があるために、掘り起しが困難なこと、天日干しでの仕上がり日数が掛かること、収穫量は玉豊の方が優れていることがあり、玉豊ほどの作付けはありませんが、現在は玉豊に次ぐ生産量があります。

その紅はるかは、平ほしいもでも丸ほしいもでも、もちろん高品質な干し芋に仕上がるのですが、前述した細長く生長する特性を活かすとすると、“四切り芋”が最適です。

四切り芋は芋の中心から四分割します。
細長い紅はるかの四切り芋は他のどの品種よりも綺麗に仕上がります。

しかし紅はるかも含めて、あまり四切り芋は作られていません。

干し芋は形と大きさで、加工方法を決めます。
四切り芋もそれに適した原料芋で作ります。
平ほしいもよりも小さめ、丸ほしいもよりも大きめが四切り芋の原料になります。
ただ、この形・大きさを揃えるのが、紅はるかと言えどもなかなか大変です。
選別の手間を考えると、平ほしいもに加工してしまった方が手間なしだからです。

今月のお宝ほしいもは「紅はるか四切り芋」です。
もちろん四切り芋に丁度の原料芋を選別しました。
仕上がりを見るとやはり紅はるかの四切り芋は良いなと実感します。

2016年12月2日 株式会社タツマ
福井保久