福井保久の二十四節気考

今年の1月20日は旧暦で12月20日、この日は大寒(二十四節気)です。

大寒は冬の最後の二十四節気です。
大寒後も寒さは続きますが、寒さのピークはこの二十四節気ということでしょう。

大寒の七十二候は「款冬華(ふきのはなさく)」「水沢腹堅(さわみずこおりつめる)」「鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく)」です。

「水沢腹堅」というと、ほしいも産地のすぐ近くの“袋田の滝”を思い浮かべます。
落差120m、最大幅73mを誇る名瀑が凍結すると「氷瀑」と呼ばれます。
今頃から2月にかけて毎年話題になります。
完全凍結すると、アイスクライマーが集まります。

さすがに干し芋産地はそこまでの寒さにはなりませんが、早朝から作業する農家にとって一番厳しい季節であることは変わりありません。
また原料芋にとっても同様で、冷え腐りに対してとても気を遣う日々です。

けれどこの寒さの逆手を取って仕上がる干し芋があります。
仕上がるまでに時間がかかる丸干し芋は、まさにこの時季ならではの干し芋です。
寒いからこそ最高の仕上がりになります。

またタツマだけでしか作っていない「厚切りほしいも」もこの寒さを活用して、寒いからこそ出来上がる干し芋です。

今年も干し芋の旬がやってきました。

福井 保久