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ブログ 今日のいもたつ

2012年03月

試験栽培

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毎年少しでも有機干し芋(サツマイモ)作りを向上させたいので、
色々なことを試します。
ことしは、EMボカシ肥料で、
抑草しながら、品質を上げるという実験をします。

このヒントは、宮城県の有機稲作農家の及川さんの農業を観てです。

及川さんの作る、有機米はとても素晴らしく、
栽培方法もとても理にかなっています。

今回EMボカシ肥料を取り入れる相談をしたら、
細かいレシピや作り方を教えてくれました。

そして、EMボカシ肥料の見本まで送ってくれました。
本当にありがたいばかりです。

【芋日記】

日時:2012年03月21日 07:23

畑の検査

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畑はとなり同士であっても、
そして同じように同じ品種を栽培しても、
全然違うサツマイモが出来上がることは
めずらしくありません。

畑でかなり性格が違います。
それをある程度数値化できるので、
毎年、畑の土壌検査をしています。

たい肥や肥料を入れてどうなったかもの
推測の目安にもしています。

ただ、農業は毎年違う環境
(気候、天候、病害虫や雑草の生える具合)
なので、予想して栽培して収穫してどうだったかは
あくまで推測です。
収穫量も数値化ですが、
他にも少しでも数値化できることは数値化して、
仮説を事実に近づけています。

追伸
今日は「春分」です。二十四節気更新しました。
ご興味がある方は、干し芋のタツマのトップページからどうぞ。
干し芋のタツマ
二十四節気「春分」の直接ページはこちら
春分

【芋日記】

日時:2012年03月20日 09:33

現代フランス映画の肖像2(フィルムセンター)

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死人に耳あり 1993仏 ピエール・フランソワ・ルブラン
言い方が悪いですが、
マヌケな殺し屋の短編です。

仕事の依頼の時に補聴器が外れたがために、
相手を間違えます。

17分なので、
必要最小限の中で進みます。
ストーリーはマヌケですが、
メリハリがある演出です。
台詞はほとんどありませんが、
登場人物の事は十分に伝わってきます。

己の職業を習い性としている、
殺し屋稼業の男の
(稼業は殺し屋というだけで他は何も変わらない)
悲しい人生を感じました。

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ルール違反 1998仏 カリム・ドリディ
前半はコメディタッチですが、
シリアスな、現代の先進国と言われている社会の、
有象無象の者たちの、
行き場がない鬱屈した魂が暴発した様が描かれます。

自分を棚にあげてのワガママな暴発ですが、
ルサンチマンは人の性です。
持てるもの
(金だけでなく、才能、それも努力できるという才能)
と持てないもの、
そこには埋められない差があることも事実です。

銃という圧倒的な力でねじ伏せようとする
主人公達の心はわかります。

ほとんどの者はきっかけがないだけで、
大人しくしているのかもしれません。

そんな破滅に向かってしまった行きずりの、
似たものカップルの悲しい物語です。

主人公の男は役者ですが、大根です。
それが、覚悟を決めると迫真に生まれ変わります。
そこからのシリアスな映像に、
すごく惹かれました。

圧倒的な力を振りかざす主人公達に、
憤りと感情移入が起こるクライマックスでした。

【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】

日時:2012年03月19日 07:59

稲藁を厚く敷きました

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有機農園ですから、農薬はご法度です。
干し場兼、育苗兼、畑のビニールハウス内はもちろん、
ハウス間も除草剤は使いません。
ハウスに隣接している駐車場にも使いません。

使わないということは、草が伸びたら手取りしなければならないということで、
毎年とても苦労していました。
ビニールをしいて草が生えないようにしていても、
少しの隙間を縫って、
どんどん草が、色々な種類が伸びてきます。

そこで今年は、ビニールだけでなく、
稲藁を厚く敷いてみました。
上手くいって欲しいです。

【芋日記】

日時:2012年03月18日 09:33

サラの鍵 2010仏 ジル・パケ・ブレネール

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戦時中でのこととはいえ、
もし自分の親やごく近い血筋のものが、
ホロコーストに加担していたとしたら、
それを知りたいか、教えて欲しいか。

知っている知らないは別として、
ジャーナリストにそのことで取材をされたら、
もちろん、罪を問われることはないとしても、
どう応えるか。

人が真実や事実を求めるのはどうしてか。
この映画の主人公もそれがわからなくなります。

サラの生きた軌跡は悲劇です。
その痛さは、みせられてもわかることはありません。
けれど事実を積み重ねることしか次はありません。

生きていることは、次の世代につなぐことです。
そこがサラと主人公をつないだのだ。
という感慨がありました。

【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】

日時:2012年03月17日 06:13

花手まり

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昨年春から秋にかけての長い期間、
有機農園の植物園で楽しませてもらった「花手まり」が
育ってきました。

サントリーが開発した品種だそうです。
昨年と同じ色は今はない・・・農園スタッフ談
販売側としたら新しいものをリリースしていくということでしょうか。

農園スタッフがこまめに面倒をみているので、
今年も昨年同様に「花手まり」が楽しめそうです。

【芋日記】

日時:2012年03月16日 07:28

チャリティー映画会「442日系部隊 アメリカ史上最強の陸軍」

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映画鑑賞後、シネマトークがありました。
パネラーは、すずき監督とプロデューサーの榊原るみさん、
インタビュアーは、NHK静岡のキャスターの平山佐知子さんでした。

「442日系部隊 アメリカ史上最強の陸軍2010日 すずきじゅんいち」
太平洋戦争が始まると、
日系人は差別されます。
軍人は戦場に行くことも許されなくなります。

その後日系人だけの部隊ができます。
442日系部隊は、ヨーロッパ戦線で大活躍します。
史上最強のアメリカ陸軍部隊と賞賛され、
日系人はアメリカ全土での差別からも解放
ということまでが起きます。

彼等は、名誉のためにその回復のために
命を投げ出して戦いました。

どの部隊も成しえなかった作戦を
次々と成功させます。
その代償は、彼等の命でした。

日系人の立場、誇りが、彼等を突き動かしました。

ドキュメンタリー映画で、
その真実の言葉に、ただただ胸が打たれます。

ありきたりですが、
どこまでも平和を求めることを、
いつもいつも求めることを望んでやみません。

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上映後、監督夫妻のトークがありました。

映画裏話をたくさん伺えました。

元442部隊の方々のインタビューで感じた、
映画では語られなかった彼等の人となりも聞けました。

そして、日系アメリカ人の中にこそ、
良き日本人を観るという言葉はとても重い一言でした。

【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】

日時:2012年03月15日 07:53

浮雲 1955日 成瀬巳喜男

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浮雲の高峰秀子は、男には絶対にわからない女性そのものです。
それを描いたのだから、そこが成瀬巳喜男最高峰と言われる一因でしょう。

まず高峰秀子さんから。
男にはわからない女を演じますが、
理解出来ない情念を、多くのシーンの中で、
その時の森雅之と会う喜びを潜めた悲哀を演じます。
不世出の女優はここでも本領発揮です。
それを受ける森雅之も相当なものです。

浮雲という話は、
自分の器量を超えたことまで、
出来ないことを知った上でそれを認めようとしないダメ男が、
無意識に罪を作り、
高峰秀子演じる女が、そこから生じる不幸を背負う物語です。

終始一貫ドロドロした二人のやりとりがスクリーンを埋めます。

特異に見える二人は、特異ではないところが味噌です。
所詮だいたいが、男も女も世間の中で生きています。
世間がみせてくれた夢の中で生きながらえている。
かもしれないというのが鑑賞中の感想です。

二人のやりとりは繰り返すばかりです。
最後を迎えるまで。

その底流には、今の生活の真実を描いているように思わずにはいられません。
人は死ぬまで日常です。
それまで何も起こらないのです。
それが真実という成瀬イズムを感じました。

【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】

日時:2012年03月14日 07:29

めし 1951日 成瀬巳喜男

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二度目の鑑賞です。
一度目以上に脇役の盛り立てがわかります。

物語はハッピーエンド。
倦怠期の夫婦からはじまり、それを乗り越えます。
倦怠期は必要なものなのでしょう。
描かれる夫婦は誰もが通る道を通ります。
当人は自分達だけしか見えないもので、
夫婦(人)なんて起こった事象を自己都合に変えるものです。

そんなどこにでもいる二人が、
もう一度新鮮な夫婦に戻ります。
きっとまた倦怠期は起こるでしょう。
けれど、今回とは違うでしょう。

悪者は夫です。
ソコソコの甲斐性と、優柔不断、隙だらけの姿、
それに対して賢妻は不満を覚えます。
観客も妻を応援します。
だけど夫は無罪なのです。
ここが夫婦(人間関係)の綾です。

その表現が成瀬巳喜男らしい説得力に溢れます。

ラストのほのぼのとしたところも良いですね。

【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】

日時:2012年03月13日 07:18

本物のフィアンセ(グリム童話) spac 演出 宮城總

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幸運にもチケットをもらうことができて、二度目の鑑賞です。
今回は演劇後に、宮城總さんとゲストの作曲家の方との
対談のおまけ付きでした。

流れがわかっているので、もっと細部までみえてくるものが
あるかなと臨んだのですが、
まだまだ本筋を捉えきれないことを感じました。

演劇では、ワンシーンの演技が象徴です。
そこには、様々な意味が込められています。

舞台と演者と音楽の非常に限られた中で。
でも仕草や動きとスピードと、
演者間の間やつなぎ、そして音楽、
そこに伝える術を盛り込んでいるのが演劇です。

映画とは目に飛び込んでくる情報量が圧倒的に違います。
だから観る側に求めるハードルが高いことが、
ここのところspacの演劇をみてきてやっとわかったというのが、
今回の印象です。

内容は、
ごくごく普通に生活する庶民へのエールです。
今生きている自分は歴史に名を残すこともなく、
世界になにかをもたらす存在ではありません。
けれど、世の中は私のためにあります。
そして私も世界のための存在です。

また真実とは何でどこにあるのかを提起します。

それを仏教の無常や
(トークでも言っていたのですが)
他の宗教観絡めて、
言い放つではなくて、
「そうは思わない?」
と投げかけてきます。

深いです。

【いもたつLife】

日時:2012年03月12日 07:29