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ブログ 今日のいもたつ

2012年05月

2012年5月 治作

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* 若狭のわかめ
春を最初に演出してくれます。
今が旬の海の味覚です。
さあ、今宵の宴がはじまる香りを運んでくれました。

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* 酢の物
ミルガイ、蕗、焼きナス、はすいも(青ずいき)
親方曰く、「夏の先取り」とのこと。
あいにくの雨だったのですが、この酢の物で、
さっぱりさせてくれます。
わかめに続くミルガイの海の味覚、
香ばしい焼きナスに、青いものが合います。
酢の加減がよく、食欲をかきたてます。

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* 鮎飯
食欲が沸いたところで、ご飯を少し。
しかも鮎飯。
この量しか出してくれないのを怨みたくなる美味しさです。
香りよし。苦い旨みあり。身の美味しさあり。ご飯と相まって最高です。
塩加減もよし。です。

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* お造り
平貝、アオリイカ、カツオ、カツオの皮の炙り、アジ
言い遅れましたが、今宵の料理の友は、
「13by山廃純米」です。

カツオの皮の炙り
塩味利いていて、皮とカツオの美味しさがストレートに味わえます。
味が詰まっています。
13by山廃純米も真骨頂で応えます。

アオリイカ
ねっとり甘い。肉厚ですが、包丁が丁寧に入っているので、
食べやすく、とろけるようです。
コリコリの食感と後から貝の味が醸されます。
今晩の最初からの海の風味も感じます。

カツオ
さっきのアオリイカとは違う感覚で、
口の中でとろけます。
カツオの味なのですが、その味がとても上品なのです。
カツオは好きでよく食べるのですが、
さすが治作のカツオは違う!
と叫びたくなる絶品です。

アジ
こちらはアオリイカとは違うねっとり感覚があります。
今回のお造りでも、くどい系の演出があり、
他が引き立ちます。
もちろんアジ自体も新鮮で、アジらしく、
これも二切れでは殺生を言いたくなります。

このままこれだけで酒を飲んでいたくなります。

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* お椀(ヨモギのくず豆腐)
お椀があるからお造りに決別できます。
まず汁をすすります。
恍惚になります。
薄味だから汁のおいしさが直線でわかります。
次に、ヨモギ豆腐、蕗、コノコを単体で味わいしっかりと
受け止めて、
次に、一体で食べてこのお椀の美味しさを満喫します。
一気に食べてしまいました。
(コノコを少し残して、山廃純米をチビリとやりましたが…)

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* 八寸
九条ネギの酢味噌がけ(ホタルイカ、アオリイカ)
ネギは大好きな野菜です。
いつもはワイルドにそのまま食べることが多いのですが、
しっかりと料理になっているネギはまた格別です。
今回、春、初夏を感じる料理ですが、
これはそれを強く感じます。
酢味噌のうまいってことはないです。
そこに大好きなネギと
美味しいホタルイカとアオリイカ、
確信犯です。

さばの子
春は鯖の卵がとれるそうです。
新鮮な鯖の卵ですが、
クセがあるので、食べやすくひと手間もふた手間もかけているそうです。
確かに、くさみは全くなく、酒のおつまみに最高です。
何気なく美味しいとなってしまいそうですが、
鯖の卵だとは思えないスッキリした味わいです。
日本料理の深さをまた知りました。

カマス寿司
淡白な身に香ばしさが加わり、酢飯が甘さを引き立てます。
隠し味で山椒を感じたのですが、
それにもひと手間入れてあるとのこと。
とても美味しかったです。

木の芽味噌田楽
これも風味が楽しめます。
春の息吹が詰まっています。
やわらかい豆腐を見事に焼き上げています。
初夏を感じます。

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* ごま豆腐
治作でこれははずせません。
治作に来たことを再確認です。
そしてこれを食べたかった。と食べると再認識します。
これこそここでなければ食べられません。

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* 赤ムツの煮付け、甘鯛

赤ムツの煮付け
頭は大好物です。
付け合せのごぼうを食べながら、
骨をしゃぶります。
顔の部所のそれぞれをしゃぶります。
目も、頬も、口も、口まわりも、それに付随の皮も。

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甘鯛
こちらも頭です。
こちらは塩焼きです。
こっちもしゃぶります。
二通りしゃぶり、
こんな幸せはないほど。魚の美味しさを味わい尽くしました。

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* 炊き合わせ
(甘鯛、カブ、椎茸、豆腐、スナックエンドウ)
味付けは酒と塩だけ。
そのスープの美味しいこと。
野菜と甘鯛の出しの凄さです。
カブは絶妙の歯ざわり、
スナックエンドウ甘さとシャキシャキ感、
豆腐がうっすらしか出汁を吸っていない良さ、
肉厚の椎茸は出汁に協力、肉ははし休め、
甘鯛は身がほぐれて、さっきの頭とは違う身の美味しさ、
甘鯛は焼くよりも、炊くのは鮮度が命で、素材を厳選するそうです。

スープは魚と野菜が合いまるからこその味わいです。

炊き合わせであって、鍋っぽくて、お椀の上手さがある料理でした。

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* そうめん
美味しい美味しいで過ごした時間の締めです。
お腹一杯ですが、これがまた入ってしまいます。
今晩のテーマである春から初夏、
ここでも味わいました。

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* わらび餅
本わらび粉100%。
モチモチでわらび粉の風味と
きな粉の香ばしさと甘み。
一件地味、だけどしみじみ来る美味しさです。

絶妙な歯ごたえですが、
これは練り具合が決めます。
時間をかけて丁寧に練りますが、練りすぎてはダメです。
その按配が歯ざわり美味しさを気めます。

最後まで、業があふれるとても美味しいひと時でした。

追伸
昨日5月の「毎月お届け干し芋」出荷しました。今月は、ホシキラリ丸干し芋です。
ご興味がある方は、干し芋のタツマのトップページからどうぞ。
干し芋のタツマ
毎月お届けの「今月の干し芋」の直接ページはこちら
今月の干し芋

【いもたつLife】

日時:2012年05月03日 10:01

長い灰色の線 1954米 ジョン・フォード

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アメリカ陸軍士官学校「ウエストポイント」に
50年教官として勤めたマーティ・マー(主人公、タイロン・パワー)の
自伝映画です。

ウエストポイントは、
アイゼンハワー大統領はじめマッカーサー元帥等を送り出した
伝統ある名門士官学校のようです。
当時アメリカの誇りだったのでしょう。
(今もそうかもしれませんが)
製作がベトナム戦争前なので、
本当に良き士官学校として描かれているようにみえました。

このあたりは、郷愁がある者とない者で感じ方はかなり違うでしょう。

映画は、50年にわたる教官と家族、そして生徒たちとの交流です。
タイロンパワーは主人公の、長い人生を上手く演じています。

生徒が戦死して、その息子をまた教えるということの悲哀。
でもそれは、祖国のため。
このあたりの心の葛藤もいやらしくなく描かれます。
映画全体にユーモアある演出もあり、
ジョン・フォード監督の手腕がさえます。

もう一つの見どころは、
士官学校の生徒たちの演奏と行進が要所で出てくるシーンです。
映像も綺麗だし、使いどころも良いと思いました。

【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】

日時:2012年05月02日 07:32

立川談笑独演会

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*粗忽の釘
*天災
中入り後に新作落語の
*ジーンズ屋ゆうこりん

三本通して、泣かせの瞬間をつくるのですが、
そこに益々磨きがかかっています。

古典落語にそのエッセンスが、
談笑師匠ならではの“外し笑い”をとりながら入るところは、
新たな感覚です。

談志師匠が亡くなって半年足らずで、
まだまだ師匠とのことは語り足りないことも窺えました。
そこを枕に、
「粗忽の釘」で、エンジンがかかっていき、
「天災」は、紅らぼうなまるとのやりとりで、
談笑らしさ全開です。

「ジーンズ屋ゆうこりん」は、
こちらを視ながら塩梅をはかっています。
もちろん面白かったです。

強弱が上手いのと、
前から思っていたのですが、
談笑師匠は、
今まであまり注目されないところを掘り下げます。
古典落語でもそうですが、
新作のオリジナルでも感じます。

機会をつくってまた行きたい落語家です。

【いもたつLife】

日時:2012年05月01日 07:42