2018年4月の定期宅配お宝干し芋今月の定期宅配干し芋を発送しました
今まで栽培してきたサツマイモとは違う性質の品種、
紅きららを育てて、有機平ほしいもにしました。
紅きららはカロテンを含む人参芋系ですが、苗はその系統とは違い、デンプン用の肥大する品種に似ています。
味わいは紛れもなく人参芋で、人参のような風味と甘さがあります。
兼六人参芋、かぼちゃ芋、あいこまち等々、多くの人参芋を干し芋加工しましたが、紅きららが一番赤いです。
とにかく驚くほど真っ赤な干し芋に仕上がった、有機紅きららほしいもです。
苗の状態から、人参芋であり人参芋らしくもないと感じつつ、栽培をしていったのが紅きららですが、その予感は当たりました。
掘り上がった紅きららは、焼酎等の原料芋にする白系のサツマイモ、黄金千貫が赤みを帯びているという肌の色で、丸みがある形もそれを匂わせていました。
でも果肉は赤い、というのが紅きららでした。
ではそんなデンプンを取る肥大するサツマイモと人参芋の性格を兼ね備えているサツマイモは干し芋としてどうなのか、とても気になりました。
(調べてみると紅きららは焼酎の原料芋としても使われていました)
黄金千貫のような粉質のサツマイモは、ほしいもには合っていない、けれど、人参芋は総じて干し芋に適しています。
とにかく初めての干し芋加工ですから、十分に糖化させてから蒸かすのが良いと考えて、冷え腐れにならないように注意しながら、加工終盤まで保存してから蒸かしました。
一番の心配は糖化しづらいサツマイモだと、甘味がなく製品率も悪いことでした。
粉質のサツマイモにありがちで、それが干し芋に適していないということになるのですが、紅きららは栽培期間中と収穫の様子から、その可能性が捨てきれなかったからです。
結果は、確かに糖化していない原料芋もありましたが、ほしいも加工する上では許容範囲に収まるものでした。
それよりも驚いたのは、これまで加工してきた人参芋の中で一番赤いことでした。
それも他の人参芋より群を抜いた色で、真っ赤です。
それは味わいにも現れていて、見た目通りカロテンの味(人参のような味)が強く、独特の甘さがあります。
でもサツマイモらしい甘みもあります。
ほしいも適正はあるというのが、私の判断です。
有機農業の難しさは、不意の異変に早急な対処ができないことです。
例えば、産地全体で芋虫が大発生するとか、病気が蔓延するとかの時に、それに対抗する農薬を使うわけにはいかないからです。
大発生とはいかないまでも、栽培中に多少はそれらの影響があります。
ある程度病害虫や雑草にサツマイモ自体が抵抗できないと、こちらの農作業だけでは限界があります。
そういう意味でも、紅きららは結構強いサツマイモでした。
独特の色といい、味わいといい、とても面白いサツマイモです。
今年も有機紅きららを栽培する準備をしています。
今までにない味わいをお楽しみ下さい。
2018年4月6日 株式会社タツマ
福井保久