2018年1月の定期宅配お宝干し芋今月の定期宅配干し芋を発送しました
高品質の干し芋用サツマイモとして開発されたのが“ほしキラリ”ですが、生産量が少ない干し芋です。
苗場の中でも暖かい場所を選んで種芋を植えても、発芽、生育ともに他のサツマイモよりも遅れてしまいます。
糖化しやすい ほしキラリは、上品な甘さが引き出されます。
四切りほしいもは、小ぶりの原料芋を四等分します。やわらかく、噛み応えもある良い食感です。
産地に定着することなく、生産量が少ないのがとても残念な干し芋です。
サツマイモは様々な用途のために作られています。
消費割合で見てみますと、焼き芋やテンプラ等の食用で約50%、焼酎などのアルコール用に約25%、デンプン原料として約15%、残りは加工食品用とその他で約10%です。
ほしいもにされるサツマイモは、加工食品用とその他の中に含まれます。
また、加工食品には、干し芋だけでなく芋ケンピなどもありますから、生産されたサツマイモが干し芋に加工されるのは、全消費からみればほんのわずかということになります。
まあこれは解っていたことで、茨城県の干し芋生産量は全体の約9割と大きなシェアですが、産地はひたちなか市周辺の10kmほどの海岸線沿いが主産地というごく狭い地域です。
特産品としてそんなにたくさんの干し芋が作られているわけではないのは肌で感じていました。
「ほしキラリ」という品種は、数年前に開発されました。
サツマイモの品種開発も上記の用途別に行われます。
そこから察して解ることは、品種開発の目的はやはり食用のサツマイモを、より良くすることが一番多く、続いてアルコール用やデンプン原料用なのだと思われます。
それを踏まえれば「ほしキラリ」は画期的だったと言えます。
「ほしキラリ」は、昭和35年からずっと干し芋の主力品種だった「玉豊(たまゆたか)」を超える品種として、“ほしいも用サツマイモ”として決め打ちで開発されたからです。
「ほしキラリ」は、ほしいもにすると、色を含めて外観は優れ、玉豊の課題である製品率の悪さはなく、品質は干し芋最高峰の「いずみ」よりも優れているという触れ込みで、栽培のしやすさも玉豊やいずみに劣らないということでした。
ただし、収穫量はいずみよりも良いが、玉豊の6割程度ということと、苗床での発芽が遅いという懸念も開発された時から言われていました。
そして実際に「ほしキラリ」を栽培して、ほしいも加工してみると…。
確かにひとつひとつの芋の大きさは小さく、いずみよりも収穫できますが、玉豊と比べると物足りないのが正直なところでした。
また、苗の発芽が遅いというのはその通りで、これは栽培においてかなりネックになりました。
適期に植えることができる苗が限られてしまうからです。
それでは品質はどうだったかと言うと、確かに美味しいです。
甘さだけで言えば、「いずみ」や「紅はるか」の方が上ですが、サツマイモらしいコクがある味わいの甘さで、これは捨てがたいと感じました。
けれど多くの農家は、収穫量の少なさと苗の育ちの遅さで、生産することをやめてしまったのが現実です。
しかし、“ほしキラリならではの美味しさ”は他では得られません。
タツマでは作付け面積こそ少ないですが、ほしキラリ干し芋の生産を続けています。
今月はそのほしキラリ干し芋の中でも、タツマでしか作っていない“ほしキラリ四切りほしいも”です。お楽しみ下さい。
2018年1月12日 株式会社タツマ
福井保久