毎年数多くの新しいサツマイモの品種が出てきます。
ほぼ定着することはないのですが、その中で干し芋用として品質が良いにも関わらず、
他の欠点のために作られなくなった、とても惜しい品種が“ほしキラリ”です。

ほしキラリは干し芋用の品種でその美味しさは甘い干し芋の代表の“いずみ”や“紅はるか”なみです。
けれど、とにかく育たないのと、育ちが遅すぎるのが原因で作付けされなくなった品種です。

そのほしキラリを父にして品種改良されたのが“ほし茜”で、育たない、育ちが遅い欠点を見事に改善しました。
母はカロテンとアントシアニンを含有する“関東１３６号”で、ほし茜はその血を引き継ぐ
人参芋です。

ほし茜をみて驚いたのがその形状です。
細いほしキラリの系統とは思えないふっくらした形で大きく、収穫量が改善されたのが解ります。

そのほし茜干し芋は、上品な甘さはほしキラリに劣りますが、カロテンを含んだ甘さは
味わいがあります。

大きく成りやすいのがほし茜なので、小さい芋で加工する丸干し芋の原料芋はまずありません。
ほし茜丸干し芋は希少です。
お宝ほしいもにできる分だけ確保できました。

2025年12月5日　株式会社タツマ
福井保久