福井保久の二十四節気考

今年の5月6日は旧暦で3月18日、この日は立夏(二十四節気)です。

4月前半のほしいも産地は、冬のような日があったり、雨と曇りの日が多く、ほしいものサツマイモの苗作りが遅れてしまいました。
それが後半になると、暖かいを通り越し、農作業をしていると汗ばむほどの気候になりました。

夏というとギラギラの太陽が思い浮かび、立夏と言われてもピンとこないかもしれませんが、これまでの天候とはあきらかに違う、もう春ではないことを畑にいると実感します。

この立夏から芒種までの約1か月は、新緑の季節となり一年で一番爽やかな時季です。

静岡では新茶が育ち、茶摘みの声も聞こえ、関東以南の主要稲作地帯では田植えの真っ最中です。
ほしいも産地では輪作の麦がグングン伸び、5月終わりから苗の定食が始まります。
田んぼも畑も新緑に覆われていきます。

立夏の頃は、一年がかりの干し芋作りの中では苗を植える前段階の「仕込みの大詰め」で、どれだけ逞しい苗を作るか?どれだけ苗が順調に育つ畑を準備しておくか?の仕上げ時期です。

このお膳立てが上手くできていると、「細工は流々仕上げを御覧じろ」になります。

福井 保久