福井保久の二十四節気考

今年の5月20日は旧暦で4月14日、この日は小満(二十四節気)です。

すっかり陽気がよくなり、万物が成長していく頃が“小満”で、ほしいも産地でも時折夏日になることもあります。

苗場の苗も生き生きとしてきていますが、サツマイモ畑は陽気が良い夏日であっても海風で体感温度はだいぶ低く、地温もまだ苗には寒いことを見逃してはいけません。

そこで苗を畑に近い環境に置くのが肝要になります。

苗場を風通しが良い、ちょっと涼しい状態にして、水やりも控えます。

節と節が短く太いがっちりとした苗に育てたいからです。

そこまでしてから、畑に植える数日前に切っておきます。

苗を飢餓状態にすることで、畑に植えた後に厳しい条件下になっても、逞しく根を張ることができます。

自然の草花はなんだかんだ言っても、常に淘汰された者だけが栄えています。
その者達にとって“陽気が良い”のであって、私達が作る農産物は、それらの強者の中に放り出されるのだから、十分にそれを踏まえていなければなりません。

でも下準備をしっかりすれば、サツマイモはいつもそれに応えてくれます。

福井 保久