福井保久の二十四節気考

今年の11月7日は旧暦で10月8日、この日は立冬(二十四節気)です。

各地で紅葉が見ごろになっていく時期になりました。
「立」には、新しい季節になるという意味があり、「立冬」は、冬の始まりを示し、冬の準備を始めるよう促す二十四節気です。

産地では、サツマイモの収穫が終わった後、一度鋤き込み、その後輪作の麦蒔きをします。

早い農家の畑では、芽を出した麦の緑が目を惹きます。

立冬とはいえ、まだこの時期は麦が芽吹く気温なので、ある程度麦の根を張らせてから冬を迎えるため、収穫後のこの作業はとても大事で、芋掘り終了と共に行います。

そしてこれをもって干し芋作りの仕事は、畑から加工場へ、干し場へと移ります。

また、干し場にするビニールハウスにも麦蒔きをします。
農家によっては、このビニールハウス下に、白菜や大根などの冬野菜を仕込んでいて、干し芋加工中は、必要に応じて干し場で野菜を調達する家もあります。
その農家の干し場は、麦と野菜の上に干し芋が並ぶので、干し芋加工中とてもにぎやかです。

ここからの一ヶ月は、その干し場作りをはじめ、加工準備をする期間で、その間に原料芋は糖度がのります。
満を持すひと月でもあります。

福井 保久