福井保久の二十四節気考

今年の5月5日は旧暦で4月10日、この日は立夏(二十四節気)です。

二十四節気は、太陽暦に基づけば毎年ほぼ変わりません。
立夏でしたら毎年5月5日か6日です。
しかし旧暦は太陰太陽暦ですから、今年は4月10日ですが、昨年は3月29日でしたし、来年は3月20日です。

二十四節気は、日付と季節が毎年違うことを補足するため、今はどの季節かを示すために作られたものです。
その二十四節気を補うのが雑節で、有名なのが立夏の前の「八十八夜」です。

八十八夜は「八十八夜の別れ霜」とも言われ、暖かくなったけれど、まだ遅霜があるかもしれないから注意することを促しています。
逆に言えば、八十八夜を過ぎれば遅霜はまずないでしょうとも言っています。

ご存知の通り、八十八夜は立春から数えて88日目です。
雑節では、このように立春から数えて何日目というのが他にもあります。
「二百十日」と「二百二十日」です。
では何故立春から数えての雑節があるのでしょうか?

それはやはり旧暦を補うことからです。
八十八夜は毎年変わります。
旧暦で今年は4月7日、来年は3月17日です。
これでは日付を覚えることは意味がありません。
そこで立春からの日数で表すのでしょう。

それだけ重要な節で、八十八夜は気を付けなければならない時期なのでしょう。
「二百十日」と「二百二十日」同様に農作物に影響がある天候になるからです。
でもそれを過ぎれば初夏の訪れとなります。

福井 保久