干し芋タツマの商品一覧

2013年12月の“お宝ほしいも”

有機栽培プラスEM農法で育てた安納芋の干し芋です。お宝ほしいもに仕上げるために、丁寧に加工しました。

干し芋産地では大きく高品質に育てることが難しい安納芋ですが、EM農法はそれを覆すかもしれません。

EMとは、Effective Micro-organisms(有用微生物群)のことです。
自然界に存在している、物質を蘇生に導く80種類以上の有用菌を集めたものです。
これを農業に取り入れると、活発な微生物の働きにより、健全な土(畑)になり、健康なサツマイモが育つようになります。
昨年度は一部の畑で、玉豊、玉乙女、安納芋を育てました。

有機栽培では、雑草・虫(サツマイモの天敵)・病気等の農産物が育つことを妨げるものを、農薬で取り除くことができません。
それらを如何に乗り越えるかという課題がありますが、それと同じ位に重要で、それとは反対に位置する課題があります。
それは有機栽培では、農産物に栄養を行き届かせるのが難しいということです。

化学肥料は、個々の農産物に手軽に必要なだけの成分を与えることができます。
それと同時に、農産物が化学肥料の栄養分を、素早く・確実に、吸収してくれるという効用があります。

これはとても便利です。
収穫したい大きさや収穫量を、化学肥料である程度計算できるようになります。
(もちろんこれだけが収穫量の決定要因ではありません)

それが有機栽培となると大分話が違ってきます。

農産物に必要な三大成分は、“窒素・リン酸・カリウム”です。
この3成分が畑内にあったとしても、それが化学肥料(無機質)で存在しているのと、有機肥料(有機質)で存在しているのでは、全く話が変わってきます。

有機肥料(有機質)の状態では農産物が栄養分を吸収しづらいのです。
その為、化学肥料と違って、有機肥料の場合は施肥しても計算ができません。

有機栽培が困難な理由は、農薬を使わないことで様々な障害を抑制できないということだけでなく、農産物が育つ状態の土(畑)を作るのが大変だということも見逃せません。

EM農法は土を活性化させることを目指します。
それは有機栽培の考えと同じです。有機栽培にEM農法を加えることで効果が上がります。

健全な土(畑)にすることで農薬で障害を抑えなくても、逞しいサツマイモに育ちやすくなります。
また、土壌中の有機肥料(栄養分)が、農産物に吸収されやすくなります。
EM農法の効果は、単なる有機栽培に比べて、それらの効能があることが、昨年の試作で得られました。

安納芋やいずみ種は干し芋農家に「肥料食い」と言われます。
育てるためにたくさんの(化学)肥料が必要だからです。
“肥料食いのサツマイモ”ほど、有機栽培では育てづらいことは、以上でお解かりでしょう。
有機肥料ではなかなかサツマイモに栄養が行き届きません。

そして安納芋は種子島の特産品です。
種子島よりもはるかに寒い干し芋産地で安納芋を育てることが難しいことはこの件からも自明です。

干し芋産地の有機栽培で安納芋を育てるのは、“肥料食い”“温度が足りない”ことからとてもハードルが高く、これまで有機安納芋はほとんど収穫量がない状態でした。

しかし、昨年のEM農法を取り入れた有機栽培で、安納芋は予想以上に育つ感触でした。
今後まだまだ、工夫や試行錯誤を続けなければなりませんが、今までよりも有機安納芋を大きく、高品質に育てる可能性を感じています。

今月のお宝ほしいもは、有機(EM)安納芋ほしいもです。
安納芋は干し芋加工しずらいサツマイモです。
しかし、ほしいもにしてもしっかりした甘みがある干し芋に適したサツマイモです。

干し芋産地では栽培が大変、干し芋加工も大変という、手がかかるサツマイモですが、干し芋として食べ応えがあるので、タツマでは、有機栽培で(EM農法を取り入れて)育て、有機安納芋ほしいもを作っていこうと決めています。

2013年12月6日 株式会社タツマ 福井保久