干し芋タツマの商品一覧

2014年10月の“お宝ほしいも”

今月もオリジナルの干し芋です。通常の平ほしいもよりも厚さは1.5倍、仕上がりは2倍かかりました。

一度は味わって欲しいのが厚切りほしいもです。

干し芋は蒸かす前から比べると1/6程の重さになります。
10kgの原料芋が干し芋に仕上がると2kgにも満たないのです。
それなのに些細なことでも味には確実に反映されます。

平ほしいものスライスする厚さでもそれがわかります。
通常の平ほしいもは、8mm〜9mmの間でスライスします。
スライス幅はその年の原料芋の水分含有量と、仕上げる時の気候(温度)と仕上がるまでの天候で決めます。
たった1mmの違いですが、暖冬では乾きやすいように8mm、寒い冬は9mmでスライスします。

厚さを変えることで食感も変わります。
1mmの違いでは仕上がりはほんの些細な厚さなので微妙な差ですが、厚さを変えた直後はすぐに気づきます。

今月お届けするお宝ほしいもは、15mmの厚さでスライスした『厚切りほしいも』です。
通常の2倍近い厚さの平ほしいもです。

この干し芋を作った訳は、平ほしいもと丸ほしいもの良いとこどりをしたかったからです。
平ほしいもは甘みが凝縮されています。
それに比べて丸ほしいもは芯に近づく程水分量が平ほしいもよりもあるので、しっとりした食感になります。
その両方の、凝縮した甘さとしっとりとした食感を狙ったのが厚切りほしいもです。
手前味噌ですが、狙い通りのこれまでにない食感と美味しさの干し芋ができたと自負しております。

厚い平ほしいもを作るという発想は干し芋農家なら誰にでも思いつくはずですが、実際には作ろうとはまずしません。
それは作る前から手間がかかることがわかりきっているからです。

まず原料芋を厚切り用にそろえなくてはなりません。大きい芋を選別します。
次に、天日干し段階のことを考えなくてはなりません。
1mmの違いでも乾き具合は変わります。
これが6mm〜7mmも厚くすれば仕上がり時間は2倍以上かかることは明らかです。

仕上がる時間が長いということは、多くのリスクが付きまといます。
思いがけず暖かい日があれば、傷んでしまいます。
鳥に狙われる機会も増えます。
また、干し場に置いておく時間が長いということは、干し場を塞いでしまうことにもなります。(干し場の効率が下がります)

その中で特に注意するのは蒸かす時の天候です。
厚切り芋は丸ほしいもと同じく、真冬にだけしか作れない干し芋です。
それらの理由から、まず作り手がいないのが厚切りほしいもで、タツマのオリジナルほしいもと言えます。

厚切りほしいもは平ほしいもとも、丸ほしいもとも違う得がたい味わいなので、毎年少しの生産量ですが作っています。
今月のお宝ほしいもでその美味しさを味わってください。

2014年10月3日 株式会社タツマ 福井保久