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2015年1月の“お宝ほしいも”

有機栽培の畑をより自然の環境に近づける麦間栽培を試行しています。その畑で収穫した有機安納芋ほしいもです。

肥沃な土壌は単に肥えている畑にするだけではありません。

古代ギリシャのヘロドトスは「エジプトはナイル川の賜物」と言いました。
ナイル川は毎年夏に氾濫しましたが、その洪水が肥沃な土壌にしていたからです。

有機農業をしてわかったことですが、畑でも田んぼでも単一の農産物を植えて収穫するのは、その土地に大きな負荷をかけることです。

私の推測ですが古代エジプトでは、負荷により失われた成分と、その代償により不自然になって生まれる病気を、ナイル川の氾濫がご破算に、リセットしてくれていたのだと思うのです。

田んぼと畑の違いは、栽培期間中に水の流れがあるかないかです。
田んぼは畑に比べて格段に連作がききます。
水の流れで常に田んぼに必要な成分の補給があることと、土壌内が病気になるのを防ぐからです。

一般栽培では、農薬と化学肥料でナイル川の氾濫のように畑をリセットしてしまいますが、有機農業ではそうはいきません。
どうやってリセットするかと、なるべく畑に負荷をかけない栽培にするかに苦心しています。

連作しないのもそのひとつの方法で、収穫したサツマイモから畑の状態を判断して、緑肥作物を植えたり、自然のままにしたりで、土を改善します。

単に肥えた土にするのはそんなに難しくありません。外部から調達した有機肥料を入れれば良いからです。
けれどこれでは根本の解決になりません。

そこで試行しているのが麦間栽培です。

畑にサツマイモと共に麦を育てます。
単一の農産物だけでなくなるので負荷を減らせます。
具体的には麦の根が張ることにより、サツマイモの天敵の土壌内の線虫予防になります。
そして、伸びてきた麦は、麦藁にして畑に敷いて抑草に活用します。

これである程度は自然の環境に近づきますが、毎年サツマイモが栽培できる土壌というわけにはいきません。
次の年は休耕して土作りに励みます。
けれど以前よりも回復は早く、一年でかなり肥沃な土地になります。

今月は、この麦間栽培の安納芋の有機平ほしいもです。
蜜芋と呼ばれる甘さに定評がある安納芋が、麦間栽培で上出来のものができました。

2015年1月9日 株式会社タツマ 福井保久