福井保久の二十四節気考

今年の12月22日は旧暦で11月20日、この日は冬至(二十四節気)です。

めっきり日が短いですが、家に入ればすぐに電気が点き、寒ければストーブを炊き、食材は冷蔵庫にあり、水もトイレも困ることがない生活ですから、日が長くても短くても、暑くても寒くても、私達は切羽詰って困ることもない生活をしています。
だから昔よりも自然に畏敬を払うことがなくなっても仕方ないことです。

ご存知の通り冬至は一年で一番日が短い日で、冬至を境にまた日が長くなります。
この日は世界各地で冬至を祝うお祭りがあります。
また太陰太陽暦(旧暦)の基準の日でもあり、昔の人にとっては特別な日でした。

年明けにかけて寒さはまだ厳しくなりますが、春に向かう境目なのですから、今のような生活でなければやっぱり節目の大切な日だったはずです。

農業は自然が絶対的な前提で成り立っていますから、農家の端くれとしては、冬至をもっと感慨深く迎えたいと思っています。

そうは言うものの、今年の干し芋が仕上がって来るこの時期は、生活環境だけでなく物流網も発達しているおかげで、仕上がったばかりの干し芋の発送に追われる時期になり、ついつい自然を敬うこともなく冬至が過ぎてしまします。

せめて、今年も無事に干し芋作りがやれることを感謝しながら年の瀬を迎えることにします。
皆様も良い年をお迎えください。

福井 保久