福井保久の二十四節気考

今年の12月7日は旧暦で11月9日、この日は大雪(二十四節気)です。

立冬からひと月経ち、干し芋産地ではシーズンを迎えています。
冬至まで少しづつ日が短くなっていきますが、実は日の入り時刻は今が一番早く、午後4時頃には早くも薄暗くなります。

天日干しする干し芋にとっては、一にも二にもお日様が欲しいので、早い日の入りは恨めしくもありますが、こればかりは仕方ありません。

しかし天気が崩れる事がほぼなくなるのがこの時期からで、冬の到来であり、まさに干し芋シーズンの始まりです。

今年は産地全体で原料芋が不作気味で、収穫量が例年よりも少ないのですが、加工開始時期が変わる事はないので、いつもと同じように、だいたいどの農家でも大雪の頃には蒸かしはじめています。

加工が始まると、どんな干し芋に仕上がるのかが気になりますが、原料芋が不作だったという年は、主力品種の「玉豊(たまゆたか)」は、比較的上々の干し芋に仕上がる傾向がありますので、今年の出来に期待しているところです。
いずれにしても12月中旬には今年の傾向がはっきりします。

またその頃には干し場が一杯になります。

「玉豊」以外にも最近は作付けする品種が増えていて、ここ数年流行している「紅はるか」は、色鮮やかで干し場でも映える品種です。
「いずみ」や「玉乙女」等も並びますから、干し場も色とりどりに賑わいます。

福井 保久