福井保久の二十四節気考

今年の9月7日は旧暦で7月17日、この日は白露(二十四節気)です。

西日本は相変わらずの暑い夏だったことを、干し芋のお取引先を回ると実感しましたが、東日本、北日本では冷夏を連想させる8月で、ほしいも産地も早い秋の気配でしたが、皮肉にも暑さが収まりはじめる頃とされる「処暑」あたりから、また暑い日が戻りました。
農作業は涼しい方がはかどりますが、暑さの戻りでほっとしているのも正直な気持ちです。

ほしいも産地のお隣の米処の常陸太田市では、平年より少し遅めですが稲刈りが始まっています。
常陸太田は冷夏にはなりませんでしたが、お付き合いしている宮城県登米市はまだまだ余談を許さない様子で、稲の収穫を心配しています。

そういう具合に農業は、その年の気候に左右されるのが宿命ですが、この時期は台風の上陸が多いので、それが気になります。

サツマイモは畝(うね)が流されることが一番困るのですが、それよりも稲作の台風直撃はもっと深刻になります。

昔は稲刈りと言えば10月でしたが、今は9月が当たり前で、稲刈りと台風が睨めっこという感じです。
兼業農家がほとんどということもその大きな理由で、9月の連休は家族総出で稲刈りという景色は米処では当たり前です。

農産物の収穫の本来は、その農産物の生育で決まるはずですが、現代農業はこちらの都合に近づけてしまうことがある程度できてしまいます。
これも時代の流れですね。

福井 保久