福井保久の二十四節気考

今年の2月19日は旧暦で1月4日、この日は雨水(二十四節気)です。

平年だとこの雨水の頃になると、ほしいもを蒸かしている農家は少数派になりますが、今年はいつもよりも加工を続けている軒数が多いです。

ほしいもの主力品種は、数年前までは「玉豊(たまゆたか)」だったのですが、現在は「玉豊」と「紅はるか」が同じ位の作付けになっています。

そのどちらの品種も昨秋は豊作だったので、産地全体で生産量が多くを見込めるというのが加工前の状況でした。

しかし干し芋は、原料の段階ではなく、加工して、出来上がって始めて豊作か不作かが決まります。

その年に収穫したサツマイモが干し芋に適しているかどうかも、加工して判明します。
また、冬の気候が暖冬か厳寒かでも変わってきます。

今年度は、ほしいもに適したサツマイモに育っていたために、また、寒い冬であったために、品質も歩留まりも高い水準になりました。

しかしながら、とても寒かったことで、農家によっては原料芋が傷んでしまった所もあり、残念ながら秋の時点の豊作が干し芋の豊作に繋がらなかった農家もありました。

しかし、それでも原料芋が何とか保存できた農家は蒸かしを続けています。

とはいえもう軒数は日に日に減っていく時期でもあります。

福井 保久