福井保久の二十四節気考

今年の5月21日は旧暦で4月7日、この日は小満(二十四節気)です。

畑に直接種を蒔く(直播き)農産物もありますが、サツマイモ栽培は稲作と同様に苗を作りそれを畑に移植します。

その苗作りはとても大切で、いかに逞しい苗に育てるか、その年のサツマイモ作りの最初の農作業でありながら、一番重要な農作業と言っても過言ではありません。
育苗は種芋から出てくる芽を育てていきます。
最初のうちは、温度も水分もたっぷり与えます。
苗床は、予めたっぷりと栄養豊富にしてありますから、苗にとって苗場は天国のような環境です。

まあ、発芽したばかりは赤ん坊と同じですから、おもいっきり過保護に育てますが、成長していく毎にその甘やかしを無くしていきます。

移植する畑は、病害虫が待っていますから、それを想定しての育苗にしていきます。

ある程度育ったら、水を抑えて、夜はわざと低い気温にさらすようにして、太くて、節がしっかりとした大人の苗に育つのを目指します。

そして最終的には、苗場から出して、寒くて乾燥した場所に数日置き、苗を飢餓状態にします。

可哀相ですが、畑に出た時のためです。
人を育てるのと同じです。

福井 保久