福井保久の二十四節気考

今年の2月4日は旧暦で1月11日、この日は立春(二十四節気)です。

ほしいも作りは一年がかりですがその工程は大きく二つに分かれます。
春から秋の原料芋の栽培期間と、冬の干し芋加工の期間です。

その年度の干し芋の品質がどうかは、それぞれの天候に左右されます。

ほしいも産地はサツマイモにとって寒い気候です。
だからこそ、ここで甘い、品質が良い干し芋が出来上がるのですが、同時に寒さは原料芋の腐りに直結するので、冬の間中、原料芋が傷まない保管に苦労します。

栽培が豊作であっても、寒さにやられて、最終的には干し芋に加工された量は少なかったという年もある訳です。

ところが今年の冬はそれとは逆になりました。

記録的な暖冬は、寒さで原料芋が傷むことはありませんが、天候不順のために天日干しで仕上がる日数が少ないのです。

天候が落ち着かないままに立春を迎えてしまいました。
結局のところ加工できないままに暖かくなってしまうことを心配しながら、暖かくなる日が少しでも遅れて欲しいというのが産地全体の想いです。

福井 保久