干し芋タツマの商品一覧

2012年8月の“お宝ほしいも”

“安納芋の干し芋”  それ自体がめずらしいことに加えて、それを、ほとんど加工されることがない四切りにしました。

『蜜芋 安納芋』を理想的な干し芋の四切りしたのだから美味しくないわけはありません。

ほしいも産地ではたくさんの品種のサツマイモ栽培が試されます。もちろん干し芋に加工するためです。
蒸かし芋にしたり、焼き芋やテンプラにして食べるサツマイモの品種と干し芋にするサツマイモの品種は、かなり性格が違います。
前者以上に、干し芋にするサツマイモは品種を選びます。干し芋に適していることがまず第一番に大事なのですが、産地に定着する条件はそれに加えて、加工する時の作業性と、干し芋産地での生産性が問題になります。

安納芋は、美味しい干し芋としての適正は優れています。安納芋の焼き芋は蜜芋と呼ばれている位ですから、サツマイモの中でも甘い品種です。干し芋に加工しても同じように甘いですし、しかも、しっとりやわらかく仕上がるので干し芋に適しています。
しかしながら、他の2点が問題です。干し芋に加工するのが厄介なのと、収穫量が多くないのです。
干し芋は蒸かした後に、皮むきしてスライスするのですが、安納芋は繊維が少なく細いために皮をむいていると身が崩れてしまいがちなのです。慎重に力加減を調整しても崩れるので、他の品種よりも製品になりません。
また収穫量も他の品種に劣ります。これは、元々鹿児島県の種子島のサツマイモだからやむ得ないのですが、干し芋産地は安納芋にとって寒く厳しすぎる気候です。

干し芋に適しながら、加工面と収穫面で問題があるので、安納芋の干し芋はめずらしいことになります。

毎月月替わりの“お宝ほしいも”で何度かお届けした四切り干し芋ですが、これも干し芋の種類としてめずらしい存在です。
品種ごとに、平干し芋、丸干し芋、角切り芋がありますが、圧倒的に生産量が多いのが平干し芋です。丸干し芋、角切り芋は全体の各1割未満です。
ところが四切り干し芋は、その丸干し芋・角切り芋よりもはるかに少ない量しか生産されていません。
四切りにする原料芋をそろえるのが大変だからです。けれど、四切りは干し芋に加工して美味しくなる理想的な原料芋で作られる干し芋です。
ただ繰り返しになりますが生産量が少ない。
そこで定番になりづらい干し芋です。それが安納芋ほしいもなら尚更です。

安納芋は干し芋適正がある美味しいサツマイモです。四切りも美味しい干し芋になる加工方法です。けれどどちらも中々作られないのが現状です。

この組合せは、かなりたくさん扱いがあるタツマの干し芋の中でもかなり特殊です。
『毎月お届け干し芋』のお客様だけが味わえる貴重な干し芋です。だからこそ、今月の“お宝ほしいも”とさせてもらいました。
今月もお楽しみください。

2012年8月3日 株式会社タツマ 福井保久