干し芋タツマの商品一覧

2014年5月の“お宝ほしいも”

とても手間がかかる干し芋、『ほしキラリの角切り芋』です。生産量が極端に少ない貴重なほしいもです。

2013年度は紅はるか干し芋元年という感じでした。
多くの農家で作付け、加工され、品質が良いことがわかったからです。

紅はるかの長所は抜群の甘さです。いずみ種に匹敵する糖度がありますが、いずみのように独特の味わいがなく、また表面に蜜が浮いているので、いずみよりも甘いという声も聞きます。
ですから干し芋として魅力的なのですが、栽培と加工に難点がいくつかあります。それは大きく3つです。

1、つるが大きくなる。

品種により掘り上げたサツマイモの色や形は当然違いますが、つるや葉も実(サツマイモ)ほどではないですが、色や形が微妙に違います。畑ではそれらで区別をつけるのですが、紅はるかは明らかに他の品種のサツマイモとの違いがあります。

つるが太く、長くなるので、畑に行くと他の品種よりもひと回り大きく繁茂しているのでひと目で紅はるかだとわかります。

これが収穫の時に厄介です。つるを刈る時になかなか刈れないからです。他の品種はつる刈り機を一度通すだけで良いのですが、紅はるかはゆっくりと刈るか、場合によっては一度刈った後、時間を置いてしんなりさせて、もう一度つる刈りをやらなければなりません。

2、細長い芋になる。

焼き芋用の場合はそんなに大きくする必要がないので問題にならないのですが、干し芋用の場合は、ある程度の大きさ以上にしたいので、大きくなるように育てます。すると紅はるかは、細長くなってしまうのです。
そうなると掘り起こす時が大変です。深く掘り取り機を入れないと、掘り上げる途中で折れてしまいます。

3、糖化が早い。

紅はるか干し芋は総じて甘いのですが、これは糖化が早いからです。他の品種よりもかなり早いので糖化を待たなくても良いのですが、糖化が早いということは果物が甘くなる=腐っていくのと同じなので、傷みやすいのです。

以上が紅はるかを干し芋にする上でのネックなのですが、この2、と3、を逆手にとったのが今月の「紅はるか四切り芋」です。

四切り芋は丸干し芋にするにはちょっと大きめの原料芋を選びます。その形と大きさは品質の良い干し芋ができる可能性が高い原料芋です。

細長く育つ紅はるかは四切り芋にして見栄えが良い長めのものが多く、かつ美味しい原料芋を選びやすいのです。

干し芋の旬は大寒の頃です。紅はるかは糖化が早いために大寒前に加工したいのですが、やはり大寒の頃に蒸かした方が良い干し芋ができます。そこで、他の品種よりも寒さ対策をして保管します。そうすると、大寒の頃にはまず間違いなく完熟した原料芋になっています。

今年の2月には「薪ふかし紅はるか平干し芋」、3月には「紅はるか丸干し芋」をお届けしました。それに続いての「紅はるか四切り芋」ですが、それだけ紅はるかは甘みという点では魅力ある品種で、今月もご満足していただけると思っております。

ただしそんな紅はるかであっても、栽培から加工まで丁寧に作らなければ美味しくはならないという基本は同じです。けれど、干し芋として素性が良いので丁寧に作れば高品質になることが解っているので、作り甲斐があるサツマイモといえます。

2014年5月2日 株式会社タツマ 福井保久