福井保久の二十四節気考

今年の6月5日は旧暦で4月16日、この日は芒種(二十四節気)です。
「芒」は禾(ノギ)のことです。ですから「芒種」は禾がある稲や麦などの“穂が出る穀物の種を蒔く(苗を植える)”時期を知らせる二十四節気です。
稲に関しては昔よりも田植えが早いので、芒種といってもピンと来ないかもしれません。
苗を作る環境が自然の中の田んぼでの育苗から、ビニールハウスや温床を使うようになり、以前よりも早く苗作りができます。また、品種改良も早く植えて、早く育つ稲へと促進しています。

けれど現在でも、田んぼに種モミを播種し育苗を行えば、この時期はまさに芒種=田植えの時期になります。
私も農業の勉強をかねて、自然農での稲作を体験していますが、ビニールハウスすら使わない自然農では、5月の種モミの播種から一月あまりで稲苗が育ってきました。
ここから苗を生育に合わせて6月一杯が自然農の田植えです。一般栽培よりも1〜2ヶ月遅れの稲作ですが、二十四節気の言葉とは調和がとれたスケジュールとなります。

福井 保久