福井保久の二十四節気考

今年の2月4日は旧暦で1月5日、この日は立春(二十四節気)です。

この頃になると、ほしいも産地でも日が暮れるのが遅くなってきていることが実感できます。
まだ寒い時季が1ヶ月は続きますが、春になっていくという印象はあります。

立春は旧暦では、12月後半から小正月の頃に訪れる二十四節気でした。
12月後半だともうすぐ年明けですから、お正月を新春と呼んだ気分がわかります。

小正月の頃だと新年は今と同じように冬にお正月を迎える気分だったかもしれません。
いずれにしても一番寒い“大寒”が12月中なので、その意味では元日から新春として気分を一新していたのでしょう。

ほしいも産地では立春の頃には産地全体で半分位の農家が今シーズンの干し芋加工を終了します。
高齢化により作付け面積がだんだん減っていますから、立春までに生産を終える農家の割合は年々高まっています。
また、今シーズンは天候に恵まれたので、蒸かし終えた干し芋の仕上がりが順調で、干し場もあっという間に空になります。

干し芋農家の朝は早く、早朝の2時や3時から蒸かしが始まります。
干し芋作りが終わると、隣の農家の明かりが早くには灯らなくなるので、寂しくなると、どこの農家も口にします。
そんな声を聞く季節になりました。

福井 保久