福井保久の二十四節気考

今年の11月7日は旧暦で9月18日、この日は立冬
(二十四節気)です。

猛暑で芋の育ちすぎを心配していたのが、試し掘りでは
そこまで大きくなっていないことが判明し、掘り起こしを10月中旬から行うよう遅らせたところ、あいにくの雨続きで
収穫に遅れがでています。

それは自社の有機農園だけでなく、産地全体で11月に入ってもいつもの年以上に芋堀りが残っている農家が目立ちます。

芋を掘り上げる農機具が数年前から変わってきました。
トラクターでの芋掘りから、ポテカルという乗用の専用機械になってきています。

今までは、芋を収穫したコンテナや袋を畑からトラックの荷台へと引き上げていたのが、ポテカルは荷台の高さまで芋を引き上げてくれるので積み込みが格段と楽になりました。

しかしながら、ポテカルは収穫作業は楽ですが、一点懸念することがあります。
掘り起こした芋を保存性を高めるために畑で干すことができないことです。
でもそれは仕方ありません。

ポテカルの普及に伴い、数年前まで当たり前だった畑に干してある芋を見かけなくなっています。
こうやって昔と風景が変わっていき、かつてあった風景が忘れられていくことを寂しさと共に感じています。

福井 保久