ブログ 今日のいもたつ

2009年06月

紳士同盟 1960英 ベイジル・ディアデン

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ほのかな温かさが作中ずっとただよっています。
サスペンスとしてドキドキがあるし、
コメディとして浮かれる気分になるし、
だけど基本が温かさです。

サイボーグ009ものと個人的に表現するのですが、
8人の退役軍人が主人公です。

個性的なのはもちろんですが、
ベテランの味がある演者ぞろいです。
脚本もしっかりしているし、
無駄なカットもなく、ストレートに進みました。


“紳士”がひとつのキーワードです。
ここから顧みると、1960年の日本とイギリスの差を感じずにはいられません。
ここからの日本の復興は目を見張るものがあります。
しかし、いつも感じるのですが、この映画でも、
イギリスは刻んだ歴史(ヨーロッパの他の国でも見受けられます)を貴んでいることが
感じられます。
日本の急激な発展に対して日本がおいてきたものがあることがわかります。
戦後が顕著なのですが。

明治時代もそうだという考えも否定はできません。
ただし、明治は江戸を下地にしています。
戦後は価値観が変わったのに対して、
明治維新は表現が変わっただけというのがつたない自論です。

戦後の経済の恩恵を、日本の価値に向ける余裕に使いたいと個人的には思っています。

【いもたつLife】

日時:2009年06月20日 05:46

夜 1961伊仏 ミケランジェロ・アントニオーニ

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一組の夫婦が、幸せで恵まれていると誰もが思っている夫婦が、
共通の友人、死期が近い友人をお見舞いに行ったところから、
その夜そして、夜明けまでの二人を映しています。

二人の心を語るよりも写してゆきます。
(正確にはもう一人加えた三人、妻のジャンヌ・モローを中心に)

写しだされる映像は、比喩的な表現ですから、受け手次第なのですが、
この夫婦が過ごした日々の空虚、すれ違い、愛が枯れてゆく様は紛れもなく伝わります。

私としては、夫婦を築けなかったとしたら、お互いに非があると思うのですが、
どちらかが深く傷ついているとしたら、
そこに注目するべきです。そこに何か重要なものが隠れています。
ただ、夫婦の間だけの愛のことだけを語っているわけではないようです。


夜が明けた朝に、昨日から夜にかけての描写と夫婦になってからの、
妻の心が語られます。衝撃です。

映画は、人の愛を語り、終わりますが、
観ている一人として、二人はこの後も生きてゆかなければならないことを、
気にしてしまいます。
どうするのだろう?
少なからず自分にも似た生き方をしてきたからそれを感じるのでしょうけれど。

映像を観せられ続けてきたのですが、映像よりも重い感覚がずっと残る鑑賞後です。
やはり映像は比喩で、心に感じるものを植える意図がこの映画にあったように思います。

【いもたつLife】

日時:2009年06月19日 06:22

オールウェイズ 1989米 スティーブン・スピルバーグ

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人は必ず死ぬのに、今日は死なないと信じています。
これがないと絶望ですが、これがあるから怠惰になります。

「I Love You」が言えるか?
一つのキーでした。この言葉が代表するように、
絶妙のタイミングでピッタリの言葉を言い逃す時って
とても多いです。

正義があり勇敢で精一杯生きた、
だけど遣り残したことがある男の映画です。
さわやかだけど、かげりを感じる映画です。


たとえば何かひとつのことを残すとします。
それは自分だけ、多くても配偶者や恋人にしか価値がないこと、
もちろん経済的価値は0です。
そんなことを無駄に感じることの愚かさを教えてくれました。
少なくとも、生きる時間を多く共有していた人とは、
お互いのためになることを示唆してくれました。

【いもたつLife】

日時:2009年06月18日 07:00

いよいよ草取り

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さつま芋の苗が植え終わりました。
苗が伸びる時間もあるので、今年も約3週間かかりました。

畝(うね)を作り苗を植えるのですが、
畝を作る時に畑を耕運します。
その時に一度草も掘り起こししまいます。
そして苗を植えるのですが、この時から、苗も草も
「よういドン」で伸びてゆきます

最初に植えた畑は3週間前ですから、苗も伸びていれば、
草も同様に伸びています。
順番に草取りに畑を回ります。

【芋日記】

日時:2009年06月17日 07:45

依頼人 1994米 ジョエル・シューマーカー

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映画になるような題材は、頻繁に起こることではなく、
特異な事象であることがほとんどです。
今回も当然特異なケースです。

この映画では司法ですが、それを含めて法というものは、
完全に機能させることはできません。
最大公約数を狙ってどこかで落ち着かせる(妥協)しかないのですが。
それを良しとは当然思っていませんが・・・。

ただ、その誰もが納得できない現実を逆手にとるのは許せません。
誠意というのが、根底にあるのが基本中の基本です。

欲と嫉み、それと悪をなんとも思わない、
その犠牲に陥らせないストーリーは快心でした。

この少年家族のような犠牲者にはなりたくないけれど、
生きている限り何が起こるかわかりません。
それとは逆に、加害者には、なろうとしなければならないでいられます。
それを強く感じました。

【いもたつLife】

日時:2009年06月16日 06:48

お早う 1959日 小津安二郎

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小津監督がどこまで先見性があったのか、偶然か、
後世に残すための映画でした。
この時代を見事に納めています。


時代観とは関係なく普遍のテーマももちろん謳っています。
主人公の兄弟が的を獲ていて、的を獲ていない台詞を言います。
「オハヨウ、コンニチワ、イイオテンキデ・・・」
「こんなの意味ないじゃん、大人も無駄なこと言っているよ」
ここがこの映画のひとつのキーです。

この前段階で、「This is a Dog・・・etc」
も子供の台詞です。

子供にとってはどちらも同じが言い分ですが、
この無駄が大事なことを、鑑賞する誰もが体験している、
心は納得するがドラマはない組み立てで、感じさせてくれます。


それら以外にも、落語のフレーズがあったり、
おならが一貫した脇役だったり、
タンマがあったりと、
小津作品の中でも盛りたくさんの内容でした。

楽しみながらも改めて映画の力を感じました。

【いもたつLife】

日時:2009年06月15日 07:08

エビスビール 超長期熟成

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国産ビールでは最も好きなビールが、
エビスブランドです。
ここのところ色々なバリエーションをリリースしているので嬉しい限りです。

これは長期熟成が謳い文句ですが、
それほど熟成は感じられませんが、
まろやかさは確かにあります。
コクも旨味も継承されていますので、エビスらしい味わいは堪能できます。

そして、アルコール度数が高めで醸造されていますので、
レギュラーのエビスとはまた違った味わいも楽しめます。

最近めっきりビールを飲まなくなってきましたが、
夏はビールですし、エビスの新銘柄は気になります。
夏前に味わってこの夏のビール三昧を想うのも楽しいものです。

【酒呑みのひとりごと】

日時:2009年06月14日 08:45

奇跡のりんご

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頭をぶん殴られる本です。
それは、無農薬無化学肥料の農業に多少ならずとも係わっているからですが。
それを商業的に考えていたからガーンと感じます。

木村さんの生き方は壮絶です。
そこには利己がありません。
私は自分と自社を可愛がります、それをも利己です。

私には木村さんと同じことはできません、
この本を読んだ多くの農業従事者も同じでしょう。
だけどその心に、何か違う風を吹き込んでくれます。
それは純粋でかつやりきったからの言葉だからです。

この本のことを書き留めることはこんなことしかできません。
何度か読み返すでしょう。
そしてその度に同じことを思うかもしれません。
だけどちょっとでも違う風が自分の中に吹くようにしたいです。

【芋日記】

日時:2009年06月13日 07:11

三分一湧水

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山梨県大泉村です。
山の中に住みたいと思うことがよくあるのですが、
いざ、それを実行することは至難です。

八ヶ岳南麓にはここのような湧水はめずらしくなく、
ここは公園となっていましたが、
こういう所に来ると、山で暮らしたいことをまたまた思います。


この湧水は下流の村落に等分に3方向に分けたところから、
三分一湧水と呼ばれているそうで、実際に三分割する小さい岩もありました。
6月1日には、ここ三分一湧水のための行事が毎年行われるそうです。

私の勝手な想像ですが、田植え前だからの日程かと思いました。
山の中では田畑は限られた場所になります。
そこに引く水源は誰も、我も我もとなります。
「水元」と呼ばれていた名家が音頭をとっていたようです。

ちょっとしたことを探ることは、観光の楽しさです。

【いもたつLife】

日時:2009年06月12日 05:07

静かなる対決 1946米 エドウィン・L・マリン

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西部劇全盛、アメリカ映画が元気な感じが出ている映画です。
ストーリーは西部劇らしく、かつ、ミュージカルの要素もあり、
コミカルな演技ありと楽しませてくれます。

ただ、脚本はかなり当時の社会性を考えさせられる内容です。
南北戦争が終了しているとはいえ、
まだまだ秩序は不安定な西部の、ある街が舞台です。

無法者のカウボーイ達と彼らの暴力を恐れる街の人々、
ただし、カウボーイに経済的にも支えられているから、
精神的にも経済的にも従うしいかない街です。
その中で金が稼げればよしとする人もいれば、
奴らを許せずくすぶったままの人もいます。

そこに今度は、大量の入植者がやってきます。
街の人は彼らも受け入れません。

市民権を得られない入植者達は、
防衛という建前の暴力を、カウボーイ達に向けます。
そして全面戦争に入るのですが。

街の人は生き残る術を自分の立場だけで考える、
個人個人で違うその考え方が描かれているのが印象的です。
結局は自分が一番可愛いからです。

その態度の背景は、街の人もカウボーイも入植者も、
全く同じです。
まず生きられること、家族と安心して生活できること。

多くの移民がアメリカに来て、
まだ未成熟であった、けれどチャンスがある国、
そんな、アメリカがこれから繁栄してゆく前夜がうまく描かれています。

【いもたつLife】

日時:2009年06月11日 06:33
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