ブログ 今日のいもたつ

2012年09月

SPAC演劇 夜叉が池 宮城聰 演出

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宮城聰さんの演出は、様々な要素があり、全部をとらえきるなんて、
とってもできませんが、
音楽、ユーモア、シリアスな演出、
光、照明、闇、
観ているだけで楽しいし、深さを感じざるを得ません。
そして、十分な稽古をされた洗練なSPACの演劇はいつも感動です。


夜叉が池は、
村の人々、魔界の者達、
なみなみと溢れる夜叉が池からの清水の麓の、両者を橋渡しする夫婦
(正確には夫婦ではないかも)、
そこに何が起きたか、村に深刻な日照りが続くことで、
3者が動き始めます。
それを見届けるのは、観客を代表する京都の大学講師、
彼の目で物語が始まり終わります。

3者がそれぞれメインになる舞台での演出が、三者三様です。

夫婦と講師の舞台は、良き人の営みと、
悪意がない人の嫌らしさと純な心を伝えます。

魔界の舞台は宮城さんがユーモアを交えた楽しい演出が光ります。
その中に、魔界の姫がいて、彼女は純粋な心の持ち主で、
恋のために全てを捧げる心と、
約束(義理人情)を曲げられない姿勢を見せます。

村の人々は7人です。
政治家、金持ち、教師、神主、農民、ヤクザ、従順な人
凝縮された人選です。
それらのごく普通の社会に属する人が、
生死の危機を感じた時にとる行動は、
魔界の姫の純粋な行動とは真逆です。

けれど、人はこうなるのが常です。
そして、魔界の姫も人が創る象徴で、それも人が自ずから持ち合わせた心です。

だからこの演劇は、
人の嫌らしさの極みをみせながら、人の善をも匂わせます。
人の嫌らしさは、迫り来る音と圧力で圧巻をみせます。

村の人々と魔界の橋渡しの夫婦は、
結局やり玉に挙げられるのですが、
二人の暮らしは理想像です。
だからやられたんだろうと、悲しくなります。

人は嫌らしさと純粋の両面があります。
その中で、嫌らしさは徹底されます。
多分夫婦は、村が日照りで困る中でも比較的その貧困の影響はなかったのでしょう。
決して裕福な暮らしではないけれど、困らないことに揚げ足を取るのが人の性です。
しかも仲が良いことはそれを冗長します。

村の7人には、金持ちがいます。
だけど、金持ちでない夫婦はやられるのです、金持ちはやられずに。
そこには嫉妬も大きい一因です。
それと、誰かを生贄にする共通認識の中で、
生贄にしやすい者を求める安直が、それを正当とする見せ掛けの正義で、
溜飲を下げるかのように村の共通意識になります。

それを推し進める正当さを言い聞かる迫り方です。
(これが圧巻です)

その狂った村は葬られます。
それを講師は見届けます。私達に見届けて欲しいように。

純粋だった姫は我が意を得ます。
そしてラスト、
天空から廃墟になった村を眺め、
寄り添いながら死んだ夫婦に語りかけます。
けれど夫婦は動き出すことはありません。

それを見て講師は客席に消えます。私達の下に戻ります。
そしてカーテンコールです。

けれど、夫婦はそのまま動きません。

宮城さんは基本的に性善説だと私は思っています。
このラストは非情さを演出しています。
一件非情な演出ですが、私は心の中で「動くな」と言いながら、
素晴らしい俳優(夫婦を除く)達に拍手を贈りました。

(宮城さんの意図はわかりませんが)
取り戻せない事は常。
大きいことも小さいことも。
それを持ち帰ることが私にとってのこの演劇でした。

【いもたつLife】

日時:2012年09月30日 09:12

紅葉山庭園 家緑の夢空間(呈茶付き)

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駿府城内の紅葉山庭園で1年に一度、
柳家家緑師匠の独演会が開かれます。
庭園内の茶室で84名という、家緑師匠の独演会としては、
(たぶん)最少人数で聞ける落語会です。
マイクを使わない肉声で師匠を間近にしての落語は最高です。
(しかもお茶とお菓子付き)

今年の演目は、
師匠の前にお弟子さんの柳家フラワーさんの「元犬」、
師匠の「つる」
中入り後に「妾馬」です。
終了後には、師匠のサイン会もあります。

家緑師匠は、かなりの人気者ですが、
小さい箱でサイン会まで、たぶん最終で帰るのでしょうけれど、
最前線でファンを大切にしています。
素晴らしいです。落語も良いわけです。

「つる」は、
表情が最高です。普段、音で落語を楽しみますが、
音で楽しめないのが表情です。
ライブはやっぱり良いです。

「妾馬」はたっぷり50分。
こんな丁寧な「妾馬」は初めてです。
この演目、実は私は、大詰めでくすぐったくなる演目なのですが、
そこが感動的までになっていました。
そしてこれも表情と声色が良い。
たっぷり楽しみました。

この落語会は84名という定員なので、抽選です。
来年も当選することを祈るばかりです。

【いもたつLife】

日時:2012年09月29日 08:04

EM栽培

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今年はEM菌を活用した2種類の新しい栽培を試しています。
そのひとつは、EM菌でサツマイモの食味を上げることを試しています。
EM7の活性液をサツマイモ畑に散布しました。

サツマイモの甘みが上がった事例があるのですが、
干し芋用のサツマイモでも効果があるかを試しています。

宮城県の有機稲作農家の及川さんも、
EM7でトマトの甘みが上がったと言っていましたから、
かなり期待しています。

【芋日記】

日時:2012年09月28日 07:37

まだ育てたいところです

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有機栽培は草との戦いで、
ここは草に負けていた畑ですが、
ようやくサツマイモの葉が畑を覆いました。
芋掘りまで1ヶ月をきりましたが、その間、
まだ育って欲しいところです。

【芋日記】

日時:2012年09月27日 07:29

2012年9月の治作

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銀杏
翡翠色に輝くまさに秋の味覚、
綺麗で食べるのが勿体無い位です。
あまく、ほろ苦く、ねっとりした食感。
銀杏ならではの上品な味わいです。
ひと塩が活きています。


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先付け
秋刀魚の卯の花、梨とパプリカの白和え、揚げナスの田楽、筋子の醤油漬け、栗と枝豆
秋は食材の宝庫です。

良い感じで〆てある秋刀魚と卯の花が合います。
柚子風味が美味しさを一段上げます。

梨、パプリカ、白和えのハーモニー!
(無理やりですとのことですが、そんなことなしです)

秋茄子は嫁に食わすなとはこのことです。

あっさりめの筋子は酒に合うし、(13by山廃純米)
旨みをかねたさっぱりさです。

枝豆らしい、栗らしい、素材を楽しむ贅沢さです。

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からすみご飯
紅白がおめでたい演出です。
(治作のご主人が結婚間近)
からすみで菊姫を飲んで、
ご飯の味を確認して、
両方で美味しくて、ここでもう一度菊姫呑んで、
ひと口で最後のからすみご飯に大満足で、
菊姫をまた堪能しました。


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お造り
赤身、中トロ、ヒラメの昆布締め、カツオ、アワビ、アカイカ

こんな贅沢して良いのでしょうというくらい
豪華でどれもうまい。

ヒラメが綺麗しかも、昆布締めの上手さを感じる締めで、
しかもヒラメの旨さの余韻が残ります。

なんでこんなにコリコリで甘いのか。
包丁の技とイカの手柄です。

イカとは違うコリコリでイカとは違う甘い旨みがアワビです。
そして磯の風味が脳裏まで上手さを刺激します。

カツオはタタキです。
あぶらがのった身に、歯ごたえの良さをプラスさせています。
カツオも大好きですが、今までとは違う味わいの発見です。

きめ細かさが見ているだけでわかり、
それ以上の味を提供してくれるから嬉しいばかりです。

ワサビと醤油が上物でないと、本当の中トロの美味しさが味わえないことが、
わかります。
それだけの中トロでした。


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ハモとマツタケの土瓶蒸し
『あ~おいしい』と思わずもれます。
二杯目も『あ~おいしい』です。
三杯目、やっとどういう味かわかってきます。
そして、大きいマツタケの食感を味わい、
飾り包丁のハモを味わい、大きい銀杏でほろ苦さを味わいます。
ここで気づくのは、菊姫を呑んでいなかったこと。
もう一回りは、菊姫と、土瓶蒸しを楽しめました。


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ゴマ豆腐
いつもタイミングが素晴らしいです。
ハモとマツタケの土瓶蒸しのあの旨さの後に、
別次元で匹敵できるのが、
治作のゴマ豆腐です。
正々堂々の味で堪能し、
菊姫とも合わせ、治作の底力を今日も感じます。


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焼き物・煮物
カモ
カモ、ネギ、カラシ、強いものが拮抗しています。
強い者同士で美味しいというよりも、
荒々しいうまさを味わわせてくれます。


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キンメの焼き魚
見るからに美味しそうで、香りも絶品です。
皮も、身も、骨回りをしゃぶっても、どこも凄く美味しい!


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キンメの煮付け 活き締め ハリ付き
裁いたら針もついていたキンメです。

頭は食べるというよりもしゃぶるです。
身がほぐれるところももちろん美味しいのですが、
身を食べるために骨をしゃぶると、
そこには異次元のうまさがあります。

“むしゃぶりつく”
ほどの味わいは、やっぱりキンメの手柄と、
それを仕入れる手柄と、煮付ける技です。


マツタケご飯
ご飯とマツタケが1対1です。
ご飯にマツタケの味と風味がまとわりついています。
ご飯一粒に旨みが伝わっています。
日本人がご飯を主食にしていることは正解です。
そして、マツタケの上手さを受け止めているご飯はやっぱり偉大です。


イチジクと葡萄のゼリーよせ
残暑が顕著だっただけに、それを癒すデザートです。
秋の素材の暑気払いデザートです。

葡萄は、甲斐路、長野パープル、ロザリオビアンコ
どれも皮ごと食べられます。
爽やかで締めくくりにふさわしいおいしさでした。

【いもたつLife】

日時:2012年09月26日 07:59

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畑も田んぼも秋の虫です。

長い夏が終わり、収穫を迎える田んぼと、
まだ畑で育つサツマイモですが、
いよいよ秋が深まってきたことを実感します。


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追伸
9/22は「秋分」でした。二十四節気更新しました。
ご興味がある方は、干し芋のタツマのトップページからどうぞ。
干し芋のタツマ
二十四節気「秋分」の直接ページはこちら
秋分

【芋日記】

日時:2012年09月25日 07:35

芋掘り前

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抑草で畝(うね)を覆っていたマルチをはがしながら、
それとともに草を抜きながら、
芋掘り前のつる刈りができるように、
畑を整えています。

有機栽培の場合、草取りをしても次から次に生えてきますから、
芋掘り前の準備も予め、一畑ごとにやっておかなければなりません。

【芋日記】

日時:2012年09月24日 07:38

残暑

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干し芋のお取引の挨拶と、稲作農家の視察で、
あちこち回ったのですが、
そこでも口をそろえて「こんな残暑はじめて」でした。

干し芋産地でもそれは同じで、農作業も大変だったのですが、
農園前の草花も、平年よりも花が長く続いている事で、
残暑をより感じていました。

けれどさすがに季節が変わったことを感じる最近です。

【芋日記】

日時:2012年09月23日 09:15

川西町の取材

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川西町で一生懸命稲作に取り組んでいる農家を
取りまとめているのが、川西産直センターです。
かなり高品質のお米を、多く取り扱っています。

訪問している時に、山形テレビの取材がありました。
台湾の百貨店に輸出しているので、
台湾からのバイヤーさんが訪日していて、
その方を主にした番組作成の取材でした。

台湾で実際に稲作をしていたり、
川西町から台湾の百貨店に試食販売の農家が行ったりと、
交流も多いそうで、
バイヤーも日本びいきとのことで和やかな取材風景でした。

【米探訪記】

日時:2012年09月22日 08:33

川西町の視察

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川西町は山形県の中でも有数の米どころです。
タツマの米の中でも支持されている産地・お米です。
ここでは、有機栽培と特別栽培で稲作をしています。

農薬は使わないか、使っても一度だけなので、
草取りをはじめ管理にはかなり苦労しているようで、
田んぼもそれを物語っていました。

今年は残暑の影響で、熟すのが早く、
そろそろ刈り時になっていました。

【米探訪記】

日時:2012年09月21日 07:29
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