ブログ 今日のいもたつ

2010年03月

金環蝕 1975日 山本薩夫

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嫌らしい話を嫌らしく演じています。

遠めでみれば茶番なのを、
悪の当事者と、たくさんの傍観者は知っています。
それを打開しようとする少数の正義はつぶされます。

真実は公然なのに、平然と連綿に、
こんな馬鹿げたことが続いています。
この映画から30年以上経ち、
国民も慣れてしまっているようで、恐ろしいことです。


経済が縮小して立ち行かなくなって初めて変わるでしょうか?
それでは情けないですが、それでもその方が良いのかもと、
考えてしまいます。

今の世でも勇気があるジャーナリストはいます。
本当に応援してゆきたいですね。

【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】

日時:2010年03月21日 08:28

真夜中の招待状 1981日 野村芳太郎

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愛憎と執念で人が変わってゆくさまがみれます。

科学的と非科学的の両方が絡みながら、
人の心のもろさ、不思議さ、愛おしさがみられます。

薬の弊害が原因という部分は、
原作当時では、公害問題がまだかなり熱をもっていたのかもしれません。
それらだけでなく、薬害を憂いていた内容は先進さも感じます。


小林麻美ファンのための映画かな?
という雰囲気は多分にありました。
私はあまり知らなかったのですが、
かなり人気があったようで、当時のファンは必見の作品だったのでしょう。

【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】

日時:2010年03月20日 07:07

最高殊勲婦人 1959日 増村保造

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見所が多い映画で楽しめましたが、特に3つ
1、 長女が影の主役
2、 風刺が見事
3、 今観て価値がまたある

1、 なにもかもイメージできているかのごとく、
実は天然の長女が、インパクトありです。
生きる原点を語ってくれます、。
特にラスト近くの数秒は、まさに、生き方を語ります。

2、 コメディに現していますが、結構痛烈です。
人がひとりでいるときと、集団になったとき、
起こりうる、でも、えっということが
描写されます。
人間が好きというメッセージが嬉しい作品ですね。

ちょっと余談・・・
若尾文子が綺麗でかわいいし、川口浩も存分の持ち味です。
(脇を固めた人たちも善循環を感じました)

3、50年封じ込められた箱を空けたら、
そこには新鮮な物語がありました。
今も色あせないどころか、今観るから勇気をもらえます。
若い日本が封印されています。
私が生まれる前ですが、
幼いころ、こんな雰囲気があったことを、
忘れてしまったまるで鮮明でない記憶を呼び起こします。

決して裕福ではない、劇中今よりもかなり高いエンゲル係数もある。
けど、日本には勢いがあります。

これらと触れるだけで価値ありです。
映画の素晴らしさ、きつと誰も予想していなかった
映画の価値を感じました。

【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】

日時:2010年03月19日 08:02

雨ン中のらくだ 立川志らく

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「赤めだか」の対本の要素は、ファンサービスで、
談誌論、落語論、もっと大風呂敷を広げて芸能論です。

コアな落語ファン、ちょっと変わり者の落語ファン、
とりあえず私は良い本だという感想です。

落語界で誰かがやらなければならないことを、
立川談誌がやりそれを志らくが継いでゆくのでしょう。

氷山の一角の理論をここでも再認識です。
この目を持つことが大事ですね。
志らくの落語を観るときここに注目です。

【いもたつLife】

日時:2010年03月18日 07:47

ディア・ドクター 2009日 西川美和

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ウソもつき通せたとしたらウソではならなくなります。
そこには大変な努力、
もしかしたら、ウソをつき通すにはそれ以上の努力がいるからです。

そのために頑張っても、
だけどどうしようもない、かなわないことがあったら、
さっさっと白旗あげて逃走するのも潔しです。

主人公は隘路にはまっていたのかもしれませんが、
必要とされてしまいました。
幸運にも恵まれ、村と蜜月でした。
ただ、破綻はいつも頭に描かれてしたことでしょう。
だけど無駄あがきを続けました。

なにかそれが、自分だけのために思えなくなって来ていたのでしょう。

無医村を背景に、人間の性を表現している作品ですが、
男のロマンを感じずにはいられませんでした。
敗北を経験しながらも、もう一度真剣になる様は、
男がいつも心に秘めていることだからです。

【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】

日時:2010年03月17日 07:06

活弁シネマライブ

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チャップリンの無声映画に、
弁士と生演奏で楽しむイベントがありました。
弁士は澤登翠さん、ギターとフルートの生演奏です。

昔 無声映画をこうやって楽しんだのは日本独特の映画文化だったそうです。
初めての体験でした。
今までの無声映画とはまた違った魅力があり、
当時は、弁士が誰かでその映画の人気も左右されたことでしょう。

弁士は決まった台詞を言うのではなく、
その場の空気と時事絡めて、個性的な表現をしていることが伺えました。


<番頭 1916 22分>
チョイ悪で子供っぽいチャップリンが様々なドタバタ、
めぐりめぐってハッピーエンド。
とお決まりのパターンですが、そこも楽しめます。

チャップリンのアクロバティックな技と
パントマイムが素晴らしいです。

時計を壊す。その時計が動き出す。
このシーンは後の作品の片鱗が垣間見ることができました。


<冒険 1917 20分>
アクションが野外から海から室内まで繰り広げられます。
リズムがよく、また、チャップリン自身の演技に圧倒されます。

喜劇役者やアクションスターにも多くの影響を与えたのがわかります。

高野虎市が出演しているのも見どころです。


<放浪者 1916 22分>
冒頭はチャップリンを期待するファンサービスで
始まり、本題へと入って行きます。
短編ですが、物語の構想もすでにかなり緻密に
行われていることがわかります。

短く短くでこれだけ伝えられる、
台詞が最小限でも伝わる。映画の凄さですね。

この映画も、
喜劇だけ、アクションだけでは終わらない
物語に主張を込めています。

【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】

日時:2010年03月16日 09:53

3月の治作

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<白魚ともずくの酢の物>
おいしい白魚を食べると、
三木助の落語の枕を思い浮かべます。
おいしいという条件付きですが。
うるい、浜防風と春がそろっていました。
そして酢がうまい。


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<ふきのとうご飯>
「春だねぇ~」
香りが漂います。
旬のものを食べれる嬉しさありですが、
それを感じることができる有難さがありました。


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<お造り>
アカイカ これぞイカです。
イカらしいイカを食べられる機会がないことに
気が付きます。

ヒラメ 不覚にもワサビと醤油のつけ方が甘かった!
想像以上に旨さを秘めているヒラメでした。

ウニ もちろんミョウバンは使っていません。
人間の感覚をあまくみないでね。
と世間に言いたいです。

マグロ キメが細かいんですよね。
そして口の中に甘さの余韻が続きました。


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<すっぽんの茶碗蒸し>
この茶碗蒸しがひとつのことを教えてくれます。
茶碗蒸しは料理ではなく、
茶碗蒸しは料理法だと。
本物は原則を語ります。

もう一杯食べたかったなぁ~


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<とり貝の酢味噌和え・酢じめのアジの卯の花和え・蛸の桜煮>

そして和え物2種は春そのもの、
そして蛸、なんで蛸は火充分通っていても生でも、
その美味しさの顔を見せるのでしょうか。


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<天ぷら>
これも春です。
稚鮎、うど、竹の子、タラの芽、そらまめ、行者にんにく。
ご愛嬌で「ほしいもの天ぷら」も、
ほろ苦味、ほろ甘さ、ほろ素朴さ がおいしいし、
塩と木の芽味噌でお好みにできるところがgood


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<焼き物と煮物>
桜鱒 まず綺麗なことで合格です。
味付けと身のほぐれ感触がマッチ、
私的には皮がやっぱり美味しい!
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むつ これだけでは食べられません。
酒と一緒も良いのですが、
ご飯と一緒でさらに美味!
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甘鯛 いつも勝負になってしまいます。
眼肉がおいしいよ、頬肉がおつだよ。の世界です。
骨までしゃぶりつきます。


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<炊き合わせ>
ストレートな魚料理の後だから、
一塩なのです。
格闘の後 胃にやさしく、脳に満足を与えてくれました。


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<すっぽん雑炊と笹団子>
今日の流れで待ってました!です。
今日の〆はこれしかありません。
たまごが合います。そして、器に映えます。
(写真がないですが)
デザートは笹団子、風味があり、
小豆の上品な甘み、そして消費期限です。
「春は美味しい」今月の治作でした。

日本料理 治作 http://www.shizuoka-jisaku.jp/

【いもたつLife】

日時:2010年03月15日 07:05

キャラメル 2007レバノン/仏 ナディーン・ラバキー

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レバノンという国はアラブであり、
フランスの香りもする国であることが伺えました。
映画が語る力ですね


物語の舞台は、どこにでもある美容室件エステサロン(ベイルート)。
オーナー、スタッフ、常連のお客、ご近所さんの
いずれも女性の日常の悩みとともに話が進みます。

落語ではしばしば床屋がでてきます。
そこは庶民が集まって、ワイワイガヤガヤしています。
そんな雰囲気があります。
男と女の違いはあっても、床屋(美容室)って、
他愛もない日常が、多くの人の人生が集うのでしょう。

それぞれの解決したようなしないような悩み、
あたりまえの映画のようにそれぞれが成長して
終わるわけではありません。

だからそこには余韻があり、
女性の強さを感じます。

女性は強い、泣くだけ泣いたらすぐに立ち直るし、
たとえ仲が悪い友人とでも、その場では真剣な友情があふれる、
女性の人間味を感じました。

【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】

日時:2010年03月14日 06:17

ユニヴァーサル・ストーリー 1996米 デヴィッド・ヒーリー

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ユニヴァーサルスタジオの80年の歴史が、
とても多くの映画の断片と、USとかかわりが深い監督や俳優の語り、
撮影風景や貴重な未公開映像が映し出され、
映画ファンなら嬉しいシーンの連続です。

映画仲間達と観たのですが、
中には紹介された映画のほとんどを、
9割を観ている兵もいました。

映画史の一側面や、アメリカ社会と映画との関わり、
時代に受け入れられた題材やジャンルも追えて興味深く、
時に頷き、時に関心しながら楽しみました。

【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】

日時:2010年03月13日 07:22

心中天網島 1969日 篠田正浩

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心中が厳しくとがめられていた時代があったことは、
それだけ心中が多かった証ですが、
どうして心中するのか?
その感覚はわかりようもありません。

男と女郎が愛し合い、
どうすることも出来ず死ぬ。
現代ではこの状況で死を選ぶことはありません。
でも、死を求め、悲しいけれどそれで幸せを選びます。

死ぬしかないとまで想いが強まる凄さ。
これは、現代と当時の人々の違いが鮮明になります。
それは変わらない部分もクローズアップさせます。
この映画で、とてもうまく描かれていました。

黒子が進行を示唆するシーンや、
けっしてこっていないセットと照明も雰囲気があり、
役者陣も気が入っています。
特に、加藤嘉、河原崎しず江の両親はとても良かったです。

岩下志麻も今まで観てきた感じとは違う名演でした。

【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】

日時:2010年03月12日 07:46
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