ブログ 今日のいもたつ

2014年04月

伏せ込み真っ最中

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種芋を苗場に移植することを伏せ込みといいます。
3月末から準備していた苗床に種芋を植えていきます。

【芋日記】

日時:2014年04月10日 07:33

ネギを活けました

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伸男さんからたくさん太ネギを頂いたので、
まだ大きく育ちそうなものと、
保存用のものは、苗場にしなかったビニールハウスに活けました。
当分ネギが楽しめます。

【芋日記】

日時:2014年04月09日 07:30

稲藁で抑草

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干し場の4棟のビニールハウスのうち2棟は、
春は苗場にします。
苗場にするハウスもしないハウスも、
ハウスの間とハウス内の脇は手取りでの除草がやり辛い場所なので、
稲藁を厚く敷き詰めて、抑草します。
抑草の稲藁は干し場に敷いてあった敷き藁です。
厚く敷き藁をしても、間から草が伸びてきますが、
それは草取りするしかありません。

【芋日記】

日時:2014年04月08日 07:32

苗作りです

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3月末に種芋を蔵出しして選別、
それまでに苗場を準備して、
4月早々から種芋を植える伏せ込み作業がはじまっています。

たかおさんには人参芋の栽培を委託しているのですが、
その伏せ込み作業をやっていました。

【芋日記】

日時:2014年04月07日 07:14

農園前も春到来

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農園スタッフが育てている農園前の植物園も、
冬は閑散としていましたが、
いつの間にか花が咲いていたり、
蕾が膨らんでいたりしていました。
ほしいも産地も春到来です。





追伸
4/5「清明」です。二十四節気更新しました。
ご興味がある方は、干し芋のタツマのトップページからどうぞ。
干し芋のタツマ
二十四節気「清明」の直接ページはこちら
清明

【芋日記】

日時:2014年04月06日 06:40

銀の匙 Silver Spoon 2013日 吉田恵輔

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この物語には“別れ”がたくさんあります。
改めて、別れが人を大きくしてくれることを教えてくれます。

舞台は北海道帯広の日本一広大な農業高校(蝦夷農)です。
登場人物は、大自然下の農学校生と先生と父兄、そして馬、牛、豚、鶏の家畜と競走馬です。

主人公の八軒は札幌一の進学校を挫折、父親との確執から全寮制である蝦夷農に進学します。周りは酪農農家の後取り達なので一人浮いた存在です。その彼が仲間や厳しい酪農業の世界を体験して成長します。

私も農業の体験がなく、でも今は干し芋農家をしていますが、やはり驚くことが多かった体験があります。八軒も思いもよらない体験、農業の厳しさ、経済原則を学ぶのですが、農業の中でも酪農の方が普通の農業より大変でしょうから、彼が孤独を乗り越える必死の姿(あまり大変なところは映らなかったので想像して)に賞賛します。

まず彼は、父親との別れがありました。
その後、入学してすぐに出会った子豚との3ヶ月後の別れ(豚の食肉への出荷)がありました。
それ以外にも、離農してしまう親友になった同級生(駒場)との別れ、
彼女になりそうなアキと一緒に育てた馬キング号との別れがありました。
また、離農による生家や育てていた家畜と駒場の別れも描かれています。

ここに登場する人びとはいつも別れを前提に生きている人達です。
別れは辛いもので、なるべく避けていたいのが人情です。

また、この物語は“逃げる”ことの再定義をしています。
一般的に逃げるのは良くないこと、失敗という価値観を持っています。けれどこの物語では、仕切り直しの一環だとします。
これには大きく同意です。
結果的に自分から積極的に選んだとしても逃げることはあまりやりたくありません。
しかし、逃げる方が良いという時、そしてそれが意図して判断されたなら、一般的な逃げるの意味を持ちません。そこに言及しています。

だから、駒場の離農は逃げるではなく、次へのチャンスを掴む第一歩です。
それを諭された八軒は、逃げてきたと思い込んでいたこと=自己の否定から解き放つために周りに尽くすことを決めます。(それがクライマックスの蝦夷農祭のばんえい競馬のプロイデュース、成功で描かれます)
それを後押ししたのが別れです。
八軒は別れがあることに意識的になることで、いてもたっても居られなくなりました。
入学以来どちらかと言えば失敗の連続、自分の力のなさを味わいます。しかし夏のバイトと豚の出荷(別れ)で、自分でもできることがあることを学びます。
そして、駒場との別れ、キング号との別れを目前にした時に自分という存在ができる精一杯を試しました。


死別をはじめ別れは悲しいことです。
だからなんとかそれを避けようとします。それは問題ありません。
けれど、最後には対峙することを心に期すことが大前提です。

この物語の八軒は成長しました。やっぱり別れは人を大きくします。
私は良く死ぬための死生観を持つためにも別れがあるのだとも思いました。





追伸
4/4に、4月の「毎月お届け干し芋」出荷しました。
今月のお宝ほしいもは、“ほしキラリ角切り芋”です。
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今月のお宝ほしいも

【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】

日時:2014年04月05日 07:25

永遠の0 2013日 山崎貴

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劇中に、特攻を自爆テロと変わらないことを平然と言ってのける若者が出てきました。流石に演出でしょうけれど、あの大戦が風化していくことは避けられないことの一例です。
だから、この映画(原作)は反戦としてもとても価値がありますが、私は個人的に、主人公が個人の自由がほとんどない状況下、打つ手もわずかしかない、そして死が決められた中で、いかにして目的を遂げようとしたか、に凄みを覚えました。


主人公の宮部久蔵は目的遂行のためにぶれない男です。私にとって鑑のような英雄でした。
それは三つの観点からです。(有名な映画なので、状況説明しないで感じたことを書きます)
一、 目的が利他です。
宮部は家族のために自分の命を如何に使うかを考え抜いていました。
そして大きい目的のための小さな目的を定め、また、それらを遂行するための準備を怠りません。そしてチャンスを待ちます。

宮部は仲間から何を言われようとも自分を貫きます。それは強いからできることですが、目的が自分のためでないからできることです。
そして、何が起こっても成し遂げる体を鍛えていました。それは精神力も鍛えることにもつなげています。
そして機を待ちました。特攻に志願したタイミングは多分、そこしかない機会でしょう。ゼロ戦のエンジンが不調、そして大石という託せる男が来たことです。


二、人は、人に託すことができる。
宮部は生還が目的ではありません。妻と娘を幸せにするのが目的ですから、自分の命を捨てることでそれが達成できるなら、賭けになりますが、可能性が残る方法がそちらにあることを見抜きぶれることなく決断しました。
そしてここも用意周到です。いつどうなるか解らないから、いつでも義を通した生き方をしていたのです。誰かに託すことを狙っていたわけではありません。目的を達成するためのオプションを増やすことを淡淡と行っていたのです。
だからいざと言うときに、信頼できる人間が現れます。(それは死後にも妻の前に現れました)


三 諦めない。
だから二つの相反する状況でも打開策を見つけることができました。
宮部が何故特攻に志願したかが最大の謎でした。
宮部は、部下の特攻に護衛として付きながら、それを成させることに無力な自分に対して生きていてはいけない男だと、自分に十字架を架しました。けれど自分が特攻に志願することは目的を達成できなくなることも重々受け止めていました。
その同時が適うことを考えついたのです。そしてそれは前述したことが実を結んだということです。

真剣に生きるとは宮部のような生き方なのでしょう。もちろん誰もができるわけではありません。
できない大きなひとつは、生きている目的として何を持っているかが問題であるからです。
宮部のように、目的が自分の魂の叫びであるかで、これが第一歩です。


この物語を見て私にはそれが何か?を考えてしまいます。
これに対して腑に落ちていないということは、人生を遠回りしているということであるとも思います。
でもこれはとても難しい問題ですし、だからそうたやすくわからないし、だから苦労するのですが、ヒントはあります。

苦労する道を選んでいくことです。大抵正解はそちらにあります。
利他とはそういうものです。
そして美しく生きようとするのを邪魔しているのは自分自身です。

【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】

日時:2014年04月04日 07:39

ウツギ切り

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畑の境目には目印としてウツギが植えてあります。
伸びてくると農作業がやり辛くなるので、
春先に剪定します。
切った枝は、低い畑の通路に穴が開いているのでそれを塞ぐ材料にします。

【芋日記】

日時:2014年04月03日 07:40

ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅 2013米 アレクサンダー・ペイン

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息子たちに、そして長年連れ添った妻に、何も残すことができないから、
騙されたとわかっていても、賞金の100万ドルを手にすることを夢見てしまう親父と、
それに付き合う息子、巻き込まれる家族達をひっそりと描いた心に染みる映画です。

父親は80歳を超えているウディ、モンタナから1500km離れているネブラスカのリンカーンまで当たってもいない100万ドルを、どうしても取りに行こうとします。
長男のロス、次男のデイビッド、妻のケイトに止められても聞きません。
仕方なくデイビッドが仕事を休んでウディに付き合います。
旅の途中には、ウディとケイトの故郷があり、親戚や古い友人がいます。
立ち寄ると100万ドルが当たったことをウディがしゃべったために、
ちょっとした街の英雄に、そして、カネに群がる親戚や友人がでます。
(カネに群がらない友人もいます)
しかし、賞金は偽物というカラクリがばれて馬鹿にされてしまうウディ、
でも彼はどうしてもリンカーン行きをあきらめません。
最後の最後まで付き合うデイビッド、結局(あたりまえですが)賞金は架空、
ウディは現実に戻ります。
でもデイビッドが素敵な現実を演出してくれました。

ウディがやることは、迷惑をかけるばかり、
若い頃からのようで、おまけにその頃から大酒のみ、ケイトには叱られてばかりの毎日だったことが目に見えます。
お人よしで人に騙されたことも何度もありそうです。
デイビッドは父親の故郷で、自分の知らない父を知ります。
ひとりの男として生きていた父を想像します。
今は半分呆けた老人ですが、彼の人生を想像するのです。
そこには大きなドラマなんでありません。けれど、こんな機会があることがとても貴重に観ていて思います。

そして何故そこまでして、騙されていることがわかっていて、100万ドルを夢見るのかをデイビッドがウディに尋ねると、「何かを残したいから」言います。
「お金なんか必要ではない」それに答えるデイビッド。

ウディは息子たちに(おそらく妻にも)、必要なものを与えたいのではないのです。
ウディは「残すもの」が“欲しい”のです。

半分厄介者にされていますが、親はいつまでも親です。
子供が幸せになることが心からの願いです。

ウディは100万ドルがそれを適えると信じていたのです。
違う形で与えることができました。
ウディはデイビッドに、この旅の想い出を遺すことができたのです。

【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】

日時:2014年04月02日 07:35
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