月別記事

ブログ 今日のいもたつ

夜の女たち 1948日 溝口健二

090902blog.jpg

戦後間もない時代が作った女たちを、
娼婦としてしか生きてゆけない女たちを、
ほこりまみれで見せてくれます。

自分が望んだ娼婦でもあるのですが、
男と社会の犠牲者です。
救いがあるのかが、ずっと焦点として作品に入り込みました。

自分から抜け出すしか救いはないのですが、
抜け出せる境遇ならそもそもこの世界には入らないし、
長く居ることで、抜けられなくなるのは、いつも同じ、他のことでも同じです。

主演の田中絹代は、娼婦になる前と後ではまさしく別人でした。
ただ、娼婦の中に自分だけが犠牲になればよいというメッセージを匂わせていて、
それは、夫、子供、嫁ぎ先、勤め先で尽くしていた姿と重なります。

どこまで行っても救われないから、どうなっても良い身だけれど、
変われないものがある女の根本を感じました。

【いもたつLife】

日時: 2009年09月02日 07:46