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アメイジング・グレイス 2006英 マイケル・アプテッド

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大英帝国で奴隷解放に尽力した、勇敢な政治家ウィリアム・ウィルバーフォース(ヨアン・グリフィズ)の半生です。
20年近く掛けて、その身をボロボロにしてまでも法案を勝ち取る様が描かれます。


周りは敵ばかり。
政治を司る彼等と、彼等を支える貴族ほど奴隷貿易の恩恵を受けています。
倫理に訴えても行き詰まります。
そもそも、幼い頃から「奴隷は奴隷」として身近にいたとしたら、奴隷がいるのが当たり前で、その恩恵に預かっていたのなら、ウィルバーが言っていることは、大英帝国を動かす彼等政治家たちにとって、目障りであり、国益に反すと根強い反対になります。
それを覆そうとするのだから容易ではありません。

少数ながら同士を集め、戦略を練り、勇気を持って事に当たりますが、挫折になります。
それが事実だったでしょうし、描き方もスリリングですが、劇中の台詞と相まって真実でしょう。

やつれるウィルバーを支える妻バーバラ(ロモーラ・ガナイ)の内助の功、大事を成すのに不可欠です。

物語は、現在、過去、現在進行で進みます。戦略的で精力的に動くウィルバー、でも苦悩してしまう姿、バーバラの支えと、それらをメリハリを効かせて、上手く語りかけてきます。

感動作とはいえ、自国の非を赤裸々にする映画です。
作り手の気概も感じました。

【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】

日時: 2015年08月11日 07:42