いもたつLife
【SPAC演劇】マハーバーラタ~ナラ王の冒険~ 演出 宮城聰

この演劇の大団円は、力強いリズムに乗せて、演者全員が揃っての観客を心強くさせてくれる圧巻の声明があり、体中の血が騒ぎました。ありきたりな言葉になってしまいますが、この大団円で感動しました。自然に瞼にも涙が浮かびました。
世界中の人が仲良くなることなんてできない現実がありますが、せめてこの演劇を観た人達は家族や友人にもっと優しくできるでしょうし、少なくとも私個人は「もっと仲良くしよう」と心の中で叫んでいました。
物語は東西南北の4つの国のひとつ、西の国のナラ王と、ダマヤンティー姫の婚礼から始まります。ダマヤンティーは人間界だけでなく、神様達も后に迎えたいほどの身も心も美しい女性です。けれど姫の心を射止めたのはナラ王で、失恋した神々までもが、この婚礼を祝福しています。
けれど嫉妬する者はいるもので、悪魔のカリはナラ王を許せません。
二人は二人の子宝に恵まれます。また、ナラ王の手腕で国も栄えている幸せの絶頂でした。カリはこの時点でナラ王を地獄に落とします。
ここからナラ王の冒険が始まるのですが、冒険はダマヤンティーも同じです。ナラ王は賭け事に狂って堕ちた自らを責め姫を実家に戻すために身を引きます。ナラ王はいつか姫を迎え入れることができるようにと泣く泣く姫と別れます。
森に残された姫も、体一つのナラ王も苦難の旅が始まります。
演劇はスピーカーという台詞を語る演者がいて、それに合わせてムーバーという演者が動きます。サイレント映画を立体にしたような感じを受けます。
そこにリズミカルな演奏が加わり野外劇場に木霊します。
衣装は全員がアイボリー一色の衣装を纏っています。劇場の背景は山ですから、自然の木々が目に入ります。薄暮になるに連れて衣装は照明に照らされて浮き出てくるように見えます。
この演劇は、ムーバーとスピーカーもしかり、衣装も本物とは遠くしています。また、衣装以外に白いトラや白い蛇、そして象徴としての鼻だけですが白い象が登場し、活躍します。それらを含めて自然の中に白い衣装が映えている様を見ていると異空間にいるような感覚になります。だから見えていない情景が見えてきて心を撃ちます。
ナラ王が森で姫と別れる時、姫の片袖だけを持ち去ります。姫といつも一緒にいられるようにです。目覚めた姫は王がいないことを悲しみます。
二人の演者はムーバーですから動きだけで表現します。スピーカーからの補助はありますが、あくまで観客は動きに注視します。
また、姫は森で蛇に食べられるという危機に合いますが、旅人に助けられます。けれどその旅人に今度は付け狙われます。王も裸一貫で流浪の旅です。
それらを簡単に見せるのですが異空間にいることで、二人の心中を探るのです。
またかなりユーモアを含めた展開なのも特徴です。日本語での言葉遊びもありますし、観客を巻き込むサービスもありますし、時事ネタも巧妙に入れています。
そんな楽しい演出とリズムに乗ってクライマックスへと進みます。
ナラ王は自分の一番の得意技の馬術を駆使して姫を迎えるチャンスを得ます。それは同時に国を失った賭け事はカリの策略であり、カリに憑かれていたことが原因であり、カリに憑かれることを拒むことにもなります。
この物語は、あきらめないこと、準備しておくことのメッセージが込められています。そして最も発信したいことは、信じることです。
王はいつか姫を迎えようと心に決めていました。それと同じく姫も王が迎えに来ることを信じていました。王は醜い姿に変えられていましたが、姫はその姿でも王を見極めることができます。王の迎えを信じて疑わなかったからです。不安な日々を過ごしていたはずですが、不安と信じないは別です。
不安だけれど信じていられるということは、王を想う気持ちの強さです。当然同じほどに王も姫を愛していました。
だからこの演劇は、純愛物語でもありますし、大団円で感じた印象は、二人の純愛物語を下敷きにした世の中を愛する気持ちを持ちたいという愛の演劇であったと私は想っています。
【いもたつLife】
【SPAC演劇】ファウスト第一部 演出 ニコラス・シュテーマン

すごい演劇を観た。というのが鑑賞後に浮かんだ言葉です。
主要登場人物は、ファウスト博士、悪魔のメフィスト、ファウストが一目ぼれするグレートヒェンですが、役者3名がこの3名の人物を固定しているわけではなく、3名が時にファウストを、時にメフィストを、時にグレートヒェンを演じます。主な受け持ちがありますが、固定されていません。
ファウストという人物は、またグレートヒェンの苦悩の内は、ということを、縦横無尽に役が入れ替わることで観客は固定された人物からの受け入れを拒まれます。
人は置かれた立場や状況や、誰と対峙しているか、またその時の本能を含めた欲求で、様々な気持ちになり態度を変えます。それを現しているようです。
多くの方々がファウストを世に出しています。その数だけの解釈があります。この演劇ではファウスト博士が直情な人物として描かれます。学問を修めた達観な人とは少し趣が違います。嫌らしいメフィストに近いとも言えます。
だからファウストは欲望ゆえに堕ちていくのではなく、自分と戦っている人物像に映ります。これは投げ掛けで、個人的には自己の内を見せられている気分です。
それは理屈を優先させている前半の台詞にも大きく現れています。
また冒頭にドイツの演劇は何でもありと宣言して始まり、徐々にそれが露になりますが、ここも私が心の内を観るということを感じたことに繋がってきます。
だから、鑑賞は心を抉られるような体感になります。
しかしそれとは間逆な美しいソプラノが奏でられます。
この演劇は人間性の否定ではないとも感じる瞬間でした。
またメフィストはグレートヒェンに絡まるように体を接します。悪魔ですからメフィストはグレートヒェンの目に見えることもあり、姿を見せないこともあると解釈しました。体を絡める時は見えないときでしょう。でもそれでもグレートヒェンはメフィストを嫌悪します。
ファウストを愛しながら友人のメフィストを嫌うのは、姿を現さない時の嫌らしさを感じ取っているからですが、ここも人への言及で、人が人を観るのはその人の存在そのものであり、言葉や行動ではないことを強調しているかのようです。
3者が3役に別れる演出と素晴らしいソプラノだけでなく、補完のための映像が時折挟まれるのも特徴的でした。
役者の演技も含めてかなり高度なことが盛り込まれていることを強く感じます。一度では捉えきれないことが多くあったことが残念なほどです。
だから鑑賞後に浮かんだ言葉が“すごい演劇”だったのだと思います。
【いもたつLife】
【SPAC演劇】よく生きる/死ぬためのちょっとしたレッスン エンリケ・バルガス

死生観は歳により変わります。
子供の頃「死」を考えるだけで震えるほど怖い感覚に襲われたことを覚えています。
では今は?
この演劇は体験型という今までに経験したことがない演劇でした。
短い時間ですが、生から死までを疑似体験かなと私は感じました。
だから今現在、自分が持っている死生観を自分でみる体験でした。
「死」は怖いことは今も変わりません。
でも昔ほどではなく、歳を重ねて仕方のないものという感覚になってきていて、
そして、「死」は“嫌”という意識があることをこの演劇で感じました。
“嫌”というのは怖いや存在がなくなるからくる嫌ではなく、
大切な人との繋がりが切れてしまうことからくる感覚です。
「よく死ぬために」の課題はそれを踏まえて生きることだと、
あの空間で思索していたことでした。
追伸
5/5は「立夏」でした。二十四節気更新しました。
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干し芋のタツマ
二十四節気「立夏」の直接ページはこちら
立夏
【いもたつLife】
2014年4月の治作

先付
ミルガイ、ウルイ、ワカメ、ネギ、アスパラの辛子酢味噌和え
さっぱりしていて、味わいふかく、辛子がアクセントで
美味しいです。
どれも歯ごたえがシャキシャキしていて、辛子酢味噌と合っています。

桜葉とジャコの飯蒸し
揚げたジャコの歯ざわりと、蒸したご飯のコントラストも
楽しめます。
桜葉の香りが名残の春を感じます。
もったいないからちょっとずつ食べました。
もっと食べたくなるご飯です。

お造り
ヒラメ、アカイカ、トリガイ、マグロ、ウニ
アカイカ
やわらかいけど、食べ応えある食感、イカの甘みがたっぷりです。
ヒラメ
これも食感が良いヒラメです。
そして旨味も十分で酒がすすみます。
ウニ
治作のうは本当に美味しいです。
くさみは全くなしで、これぞ海の旨さという感じです。
トリガイ
こんな美味しいトリガイは初めてです。
磯の香りとこれも程よい硬さと肉厚の噛みしめる食感です。
噛みしめて海の味が出てくるトリガイです。
赤身
マグロは偉大な魚だと思えてきます。
キメの細かい赤身で、噛むと美味しい肉汁が溢れます。
中トロ
こちらはうまさを主張してきます。
堂々たるあじわいです。

蓬のくず豆腐と蕗のお椀
山椒とクチコが香りのアクセントです。
もちろんクチコで酒がすすみます。
蓬豆腐は絶妙の歯ざわりと胡麻豆腐の胡麻が効いた蓬の甘さがあじわえます。
治作胡麻豆腐の蓬バージョンのお椀と言うー贅沢な一品でした。

八寸
アボガド、明太の筍
4月の治作の定番。
筍とアボガドの旨さと明太の辛さ、どれも引き立ちます。
筍の風味がしっかりあるからこそです。
鯛の白子
これはストレートに肝を味わえます。
酒好きにはたまりません。
これも雑味が全くない素直で力強い味です。
食べるほおづき
酸味がほのかで、甘い口直しです。
新レンコンと新ショウガの白和え
レンコンもキヌサヤもシャキシャキです。
ショウガが控えめに効いてるのがまた良いですね。
白和えが基本的な味で山椒の実のアクセントがあり
全体がまとまっています。
海老が入っていて、これも白和えと合っていました。
蛸のやわらか煮
これも治作の絶品です。
やわらかいのだけれど、歯ごたえがあり、
蛸の美味しさはしっかり引き出されています。
大根が蛸の美味しさをしっかり受け止めているので、
二度美味しいです。
わさびの茎の酢漬け
これも流石です。
わさびの風味を活かした酢漬けです。
箸休めではない立派な料理です。

焼き物と煮物と揚げ物
甘鯛の唐揚げ
甘鯛は毎回注文しますが、今回は唐揚げです。
頬肉の火の通りが丁度です。眼肉も。
鱗が食べやすくなっています。

赤ムツの煮物
付け合わせのゴボウが絶品です。もちろん赤ムツも。
上品な肉を活かす甘しょっぱい上品な味付けです。

牛の焼き物
やっぱり肉も美味しいと思わせてくれる牛肉です。
一切れ食べて、これで満足を得られる凝縮した肉です。
やわらかさが食べやすさを演出して、
旨味を程よい焼き加減で演出しているとう料理です。

筍焼き
治作名物の筍のオイスター焼きです。
筍を満喫する方法はたくさんありますが、
これはさいゆよくの一品です。
筍の野趣がそのままに旨みを味わえる名物料理です。
筍の根に近い部分が潜在力があるから、それを引き出す素晴らしい料理です。

そーめん
今日の料理は、素材の旨さの要素一つの歯ごたえ感を色々な形で満喫させてくれました。
ベースにはもちろん治作の基本的に高品質があるわけですが。
そしてそーめんです。
今日の料理にはこれしかないです、
一気に食べてしまいました。

デザート
葛切りも歯ざわりが楽しめます。
自家製の黒蜜が優しい甘さです。
濃いタイプとあっさりタイプの二種類を出してくれました。
【いもたつLife】
【SPAC演劇】真夏の夜の夢

演出 宮城聰 作 ウィリアム・シェイクスピア 潤色 野田秀樹
人はとかく物事を曖昧なままにしてしておきたいものです。
人は基本的に怠惰ですから、決めないことで責任が生じないことを選び勝ちです。それに曖昧にしておくと夢見がちでいられます。
「真夏の夜の夢」は、主人公の“そぼろ”が自分の心の奥、自分では気が付いていない自分の本音の部分を知る旅の物語ですが、自分の心の奥にある本心が何かなんて、曖昧にしておきたい最たるものです。
老舗割烹料理屋のハナキンの娘“ときたまご”は四日後に結婚式を控えています。相手は父親が決めた板前のデミですが、別の板前のライと相思相愛です。どうしてもライと一緒になりたいそぼろは、ライと「知られざる森」へ駆け落ちをします。幼馴染のそぼろにだけそれを告げました。そぼろはデミを慕っていたことから、駆け落ちのことをデミに伝えます。ときたまごを追うデミ、そのデミを追うそぼろ、4人は知られざる森で不思議な体験をします。
知られざる森は、妖精たちが棲む森でした。ちょうどその頃、オーベロン王とタイテーニア女王は、拾った赤ん坊が原因で夫婦喧嘩の最中でした。オーベロンはタイテーニアを意のままにするために妖精パックに惚れ薬を取ってくるように命じます。早速パックは出かけますが、途中で悪魔メフィストに捕まります。パックに化けたメフィストはオーベロンやタイテーニア王を騙した上に、二人からの依頼を受けて契約を取り付けます。この契約が破棄される時には人間の憎悪が増幅するというものでした。
ときたまごは、ライからもデミからも愛されています。それに対してそぼろはデミを愛していてもデミには嫌われています。森でデミを追うことすらデミに嫌がられるそぼろですが、ひょんなことから惚れ薬の効果でデミにもライにも突然愛されることになります。それを戸惑うそぼろです。
知られざる森とは、人間がそこに迷いこんで不思議な体験をしても森からでる時には人間は何も覚えていないことから名付けられました。そしてここには人が置き忘れたものがたくさんあります。
この森に棲む妖精は逆隠れ蓑を着ない限り人には見えません。だからここで起きたことは人は気のせいだと思っています。この演劇では気のせいは「木の精」という定義です。そして、「人は見えないものは信じない」ということもキーワードです。
私は、知られざる森はそぼろの深層心理で、表層から深層へとそぼろが辿っていく物語だと思いました。
迷い込んだ4人の若者達は表層の意識の中で、惚れ薬によって愛する人を代えてしまいます。そこは表層に近い願望です。
メフィストはそこから一歩踏み込んだ自分が知りたくない自分を知る案内人であり、そぼろが持つ悪の感情そのものでもあります。
そして、オーベロンとタイテーニアをはじめとした妖精は悪の感情のもっと奥の善意であったり生きる知恵で、森自体が奥深く広いそぼろの深層意識を現していると捉えました。
ライとデミは最初の惚れ薬でそぼろを愛し、ときたまごを憎みます。でもそぼろは、二人は自分を愛しているそぶりをして茶化していると思い込みます。
「人は見えないものは信じない」逆に言えば見えるものを信じるということです。愛を叫ぶ二人の男は見えるものですが、そぼろはその見えるものを信じませんでした。
だから、実は人には見えないものを信じる能力があるのです。しかし注意深くその能力を封じています。何故なら自分の本音に近づくからです。これはまだ序章で、この物語はこの程度の旅で終わりません。
ライとデミの二度目の惚れ薬ではなんと、二人が愛しあうことになります。それを解消するためにはメフィストの契約を破棄しなくてはなりません。契約破棄をすると、二人は憎み合い争いを始めます。これもそぼろの心です。デミを愛しているし愛されたい裏にデミを破滅させたい、また、ときたまごと上手くいっているライやときたまごに対してのルサンチマンです。
まだ続きます。メフィストはそぼろに言います。「言葉にしなかった言葉(飲みこんだ言葉)がこの森にはたくさんある」と。飲みこんだ言葉はその人の本音です。そして人に知られたくない自分だけが知っていると思っている感情です。一見、言わなかったことは他人には伝わっていないようですが、実は他人も気づいています。「人は見えないものを信じる力」がありますから。
これに関しての問題は、自分の悪の感情は他人には気づかれていないだろうということを自分に言い聞かせていることです。
メフィストが全部知っていたのと同じように他人も意識しないだけで知っています。ただお互いにそれを曖昧にしていたいので、言う側も言われた側も意識しないようにしがちなのです。
物語は、そんなそぼろの飲みこんだ言葉が森で具現化していきます。まさにそぼろの悪の感情が森に火をつけて森は焼き尽くされていきます。そぼろは自分の奥にある心がどんなものだったかを目の当たりにするのです。
そしてメフィストはオーベロンとタイテーニアの夫婦喧嘩の原因になった拾われた赤ん坊だったことも明らかになります。メフィストはそぼろ自身でもありますから、森に火を放ったのはメフィストであっても、焼き尽くすのはそぼろの奥の奥にあった本心であり、そぼろの心の叫びです。
でもこれは誰しもが生きてきた中で抱える、悲鳴をあげたい鬱屈した感情です。
この演劇は壮大な森を想わせるセットですし、衣装も楽しませる凝りようだし、音楽も照明も心を浮き立たせます。軽妙な言葉が飛び交い、また洒落の効いた言葉も飛び交う喜劇として楽しめますが、「あたしの精」「目が悪い精」「耳が悪い精」「年の精」等の登場人物の役名といい、これらの言葉を含めて少々毒がある言葉が台詞にも使われているので、一筋縄ではいかない喜劇だという感覚になります。
案の定で、そぼろを自分に置き換えて劇を観ると、逃げ出したくなります。自己の心にある嫌な部分が見えるからです。そして普段は、常にそれを見ないようにしていることも明らかにされるからです。
でも最後は、メフィストの涙で森の火が収まります。森を鎮めるメフィストの涙ももちろんそぼろの心の現われです。心の奥には悪意や悲しみだけではないし、人は悔いることも出来て純真な気持ちをいつでも持つことができることの表現です。
だから、嫌な部分を含めてもあなた自身には価値があると言ってくれているようでした。
自分の心の奥にある本心は、綺麗ごとだけではありませんから、日常で意識していることとは往々にして異なるものです。だからそれを観にいくのはあまり気が進みません。
けれどそれを観てそれを受け入れるのは大事なことです。普段意識していない自分の心を含めて自分自身なのですから、それを踏まえないと成りたい自分になんてなれるわけがありません。また、それを認めると自分にも他人にも今よりも優しくなれることも間違いありません。
演劇「真夏の夜の夢」は、本当の自分を観る勇気を与えてくれます。
【いもたつLife】
2014年3月の治作

若狭のワカメ
今晩は春がテーマでしょう。
香りがとても良いです。

生湯葉とウニのべっこうあんかけ
生湯葉もウニも、どちらも余韻が続く上品な甘さで、
相性抜群です。
噛みしめるように美味しさを感じます。

稚鮎ご飯
春を先取りです。
ほろ苦いのがこれほど美味しいと感じるのは、
この料理ならではです。
身のほろ甘さとごはんの旨味、そして絶妙の塩加減です。

お造り さより、 ミルガイ、アカイカ、ヒラメ、マグロ
ミルガイ
歯ざわりと瑞々しさ、そして磯の香りと貝の甘みです。
ここで青海苔、これだけでもご馳走です。
アカイカ
イカの美味しさはもちろん、とろけるのです。
食感がそんじょそこらのイカとは大違いです。
ヒラメ
浦島太郎もこういうヒラメを食べてたから、
竜宮城に居残ったのでしょう。
さより
これも今晩のテーマの春です。
瑞々しい美味しさです。
マグロ
トロける中トロです。
赤身のうまさにトロを足した味です。

お椀『 蛤しんじょと筍のお椀』
はしりの筍を食べることができるだけでも幸せです。
まず香りの心地良さに惹かれます。
春ならではの木の芽の香り。
そして最小限の味付けだからこそ筍と山椒とこごみの風味が活きています。
そして蛤しんじょの力強く上品な味と汁を飲む。
至高ですね。

八寸
ホタルイカとアサリと九条ネギと浅葱のぬた
味付けが素材の良さを引き出しています。
単品でも惹かれる味付けで、
一緒に食べるとこれがまた美味い。
春菊とカシューナッツの胡麻和え
これも春です。ほろ苦さと香ばしさが前面、奥にコクがあります。
ここで、
大根とカラスミ
大根も瑞々しい!
カラスミはヤバイです。
アオリイカのワタ和え
これもヤバイです。
全部食べたら菊姫が無くなります。
イカの身がイカのワタと最高にマッチしています。
鯖のたまごの煮こごり
珍味です。
生姜を効かせているので、鯖のたまごの食感と魚らしい味が
すんなり味わえます。
煮こごりの甘みが足されて、これも酒がいくらでも進みます。
イイダコのやわらか煮
今回はタコの頭入り。
臭みは全くなく、ほろ甘さがあります。
大根はたっぷりとタコの味付け、
タコ自体はタコらしい食べ応えです。
上手いのは言うまでもありません。

胡麻豆腐
これだけでは足りないほど、もっと食べたい。
治作の胡麻豆腐は、素材をどう活かすかのお手本です。

焼き物
太刀魚
上品でありながら野性味もあるのが太刀魚で、
それをいかんなく引き出している
焼き加減と塩加減です。
そしてとても食べやすくしてくれています。
この気持も料理の一環です。

煮物
赤むつ
魚好きにはたまりません。
身も肝も眼肉も頬肉も口まわりも、
その味を引き立たせています。
出てきてから食べ終わるまで一気です。
貪りつくように食べました。

野菜炊き 甘鯛の蕗味噌あんかけ
野菜がたっぷりです。
しかもひと仕事有りの野菜で、甘鯛と野菜の旨味が封じ込めれた
お椀のような美味しさの料理でした。
治作の新しい看板料理に発展するかも。

へしこ茶漬け(写真撮り忘れ)
へしこの美味しさを追求した結果です。
へしこを中心に何を加えたら、へしこのうまさを損なわないかです。
梅、浜納豆、三つ葉・・・それらの脇役がちゃんと仕事をしています。
ちゃんと仕事をさせているのです。
水菓子 ブドウとグレープフルーツのゼリー
これも春でした。
味の演出が春なのです。
スッキリと後味がする春の料理の締めくくりにふさわしい
ちょっと苦味が優しいグレープフルーツと、
ほろ甘いブドウのデザートでした。
追伸
3/21「春分」です。二十四節気更新しました。
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干し芋のタツマ
二十四節気「春分」の直接ページはこちら
春分
00,h
【いもたつLife】
Foodex2014

今年もフーデックスに行きました。
勉強のために焼酎の試飲と唎き酒に挑戦しました。
普段日本酒(菊姫)ばかり飲んでいるので、
焼酎の魅力を堪能しました。
その他には、輸入物が原材料から、半加工品、加工度が高いものというように、
同じ素材でも細分化されて輸入されている傾向が高いと感じました。
それ以外には、商品化において女性主導の商品が一段と増えているのも感じました。
【いもたつLife】
戦士の休息 落合博満 著

著者が映画を語るということで、もちろん野球との絡みもあるだろうということで、
手に取りました。
他の著書でも感じていましたが、著者は野球に対して非常に真摯です。この著書でもそれが窺えるのですが、映画を通しているところが面白いところです。
著者なりの映画観は同じ映画好きとして共感できる部分とそうではない部分がありましたが、著者が「映画は自分が面白いと思えば恩白い」ということは大いにうなづきます。
また映画は成功の娯楽だと、再三再四言うことも同意で、楽しく読ませてもらいました。
出版社の要望もあり、映画と野球を絡めての部分も随所にあります。
それらは、野球と映画が通じるものがあるということをただ書いているのではなく、
どちらの事象でもその奥を探る思考の末、通じるものとそうでないことがあることを示しています。
著者は野球のことを深く深く考える人というのは相変わらずですが、野球だけに留まらない人だとわかります。
しかしそれは当たり前で、常に物事を深くとらえるから野球でもということなのです。
だから、著者が常に考えているのは、自分の生き方なのでしょう。
後悔しない人はいないでしょうけれど、著者はそれを出来る限りしたくないし、しないようにしています。
たまたま生涯の仕事が野球になっただけで、野球以外でも偉大な足跡を残せたでしょうし、それを支える普遍的な著者の考え方を知ることができる本でした。
【いもたつLife】
つながる読書術 日垣隆 著

世の中には凡人には想像もできないほどの、
膨大な量を読破していく人がいます。著者もそのひとりです。
著者の「本」についての向き合い方と、「読み方」そこからの人の生き方、
そしてお勧め本の紹介でした。
本はキョーヨーを養うのに必須で、受身の読書から、攻めの読み方にすることで得られるものが違ってくることと、とにかく訓練、量稽古が肝要です。
また、私が一番印象に残ったのは、「著者の土俵を自分の土俵に変換していきましょう」です。読書は自分を鍛えること、そして真実を観る眼を養うことという著者の想いが詰まっているところです。
また全体を通して、著者の生き方がにじみでているのも好感でした。
【いもたつLife】
2014年1月の治作

春の酢の物
うるい、ハマボウフウ、みる貝、蛸の吸盤の酢の物です。
春の香りのハマボウフウを、控えめな酢が引き立てます。
みる貝の甘みと蛸の食感も楽しめます。

お椀
白味噌仕立てのお雑煮。
とっても綺麗なお雑煮です。
京芋、京にんじん、京大根、めかぶ、
香ばしく焼いた餅、肉厚のエビです。
上品な味わいと、
アクセントの辛子がきいて後引くお雑煮です。

お造り
マグロ、ヒラメの昆布締め、水蛸、アオリイカ
細かく包丁が入ったアオリイカは見栄えも良くなり、
ねっとりした食感もより味わえます。
水蛸は蛸好きにはたまりません。
足の太いところなので食べ応えもあります。
ヒラメの昆布締めは旨味もましますが、
食感も変わります。
舌にまとわりついて美味しさを残します。
きめが細かいマグロです。
これもマグロ好きにはたまりません。
菊姫 特選純米がすすみます。

腐乳ご飯
この料理も芸術です。
腐乳の旨味、蛤の旨味、アクセントに山椒、
それらを受け入れて控えめなな主張の餅米、
至福です。

八寸
かぶら寿司、カラスミと京大根、黒豆、ふきのとうの胡麻和え、
アオリイカのワタ焼き、ナマコの柚子酢、春菊・蓮根・クルミ・三つ葉の胡麻和え、
アオリイカのゲソ・九条ネギ・ヌタヤ貝のヌタ。
ネギと辛味がアオリイカとヌタヤ貝の美味しさ引き出します。
野性味を上品に仕立ててあるナマコ。
春のほろ苦みが堪能できる、ふきのとうの胡麻和え。
胡麻和えは食べていて安心感溢れるあじわい。
ワタ焼きはイカのワタが如何に美味しいか満喫です。
かぶら寿司はブリの食べ方として技ありです。
京大根でひと息ついてカラスミでまた菊姫 特選純米がすすみます。
プロの技の黒豆で舌鼓して、
もう一度八寸で酒を飲みました。

焼き物4種
牛ステーキ
本日の治作おすすめの一品。
優しいけど奥に野性味があります。
滅茶苦茶やわらかくて、うま味も豊富で大満足です。

鰆の西京漬け
鰆は料理しがいがある魚ですが、
この西京漬けはベストに近いです。
余すことなく引き出すという言葉がピッタリです。

太刀魚
こんなに肉厚の太刀魚は初めて見ました。
それをふわふわに焼き上げています。
太刀魚は美味しいとわかっていながらそれを超える美味さでした。

甘鯛
これは欠かせません。
いつも骨までしゃぶります。
この甘鯛に申し訳ないほどに
甘鯛のたくさんの部位の美味しさをしゃぶりました。

かぶら蒸し
熱々のかぶら蒸しです。
かぶらと百合根と甘鯛が相乗効果です。
春の料理と冬に体を温める料理を出してくれる優しさも味わいました。

スッポン雑炊へしこのお茶漬け
スッポン雑炊は冬を乗り切る料理、
へしこのお茶漬けは春を感じさせる味わい、
なんと贅沢なんでしょう。


黒豆のお汁粉
今回は、お正月と春と、王道の冬の味覚を盛り込んだ料理でした。
その締めくくりにふさわしい
なめらかな口当たりが良い上品なお汁粉です。
金箔はあけましてはおめでとう演出してくれていました。
【いもたつLife】