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いもたつLife

大長編 タローマン 万博大爆発 2025日 藤井亮

子供の頃見ていたウルトラマンはじめの特撮の匂いがプンプンします。そして中身は悪ガキ。地球侵略の奇獣を上回ってタローマンのでたらめは、自分のガキの頃の分身のようです。
そして最後はタローマンのそろい踏みというサービスです。
このバックになるのが岡本太郎の哲学と芸術だから拍手です。

【いもたつLife】

日時:2025年10月22日 10:14

【spac演劇】弱法師 石神夏希 演出

三島由紀夫が翻案した能の演目「弱法師」を原作を、spacが解釈した劇です。
戦災で盲目になり両親と離れてしまい物乞いをしていた5歳の俊徳は、川島夫妻に拾われて何不自由なく育てられます。15年後、産みの親の高安夫妻が現れ、家庭裁判所で調停が行われるという設定です。
俊徳は王様のようにふるまいます。それに対して奴隷のように従う川島夫妻、怪訝そうだった高安夫妻は俊徳に気に入られるために、同じように俊徳の言葉の奴隷になります。
調停役の級子だけはこのやりとりを冷静に見つめます。

台詞は三島由紀夫にみえていた世界でしょうけれど、今の社会にも通じます。でも今の社会は当時よりも見えにくくされていて、三島(俊徳)の声を用心深く今の情勢に置き換える作業をすると、ぞっとする社会の病を感じます。
それは置いておいて、劇はそんなやりとりを二度繰り返します。
その中で注目は、俊徳は華奢で若い女性、級子は大柄で威圧的な男性だったのが、二度目は逆になります。対照的な役者が入れ替わるのです。
一度目の怖さが増幅されます。同時に、俊徳の心の空虚や迷いがその深刻さが増します。そして級子の役割、論理的な傍観者であり病んでいるモノと対峙しなくてはならない社会で不可欠な役割の重要さもひしひしと伝わってきます。

この劇は俊徳の魂は救済されるか、どこに行くのかを問う、死を考る中で避けて通れない、でもあまり考えたくないテーマを投げかけていると解説がありました。確かにその通りですが、その迷ってしまう魂は、三島由紀夫ならば戦争体験と、安保闘争が背景にあったように、そこから時代を進めた現在の混迷、繰り返しますが、本当は一触即発で戦争が起こってもおかしくないのに、社会の側は問題ないと取り繕って、解りにくくいている現代の情勢が、実は私たちを不安にさせていて、それを問題提起しているということが込められていると非常に感じる観劇でした。

【いもたつLife】

日時:2025年10月21日 10:13

【グランシップ静岡能 能入門公演】

敷居が高い、解らない、とこれまで遠巻きにしていた能ですが、この公演で払しょくされました。
歌舞伎と能の違いは300年の時代の差から、歌舞伎の江戸時代と、その前の中世に生まれた能という、この解説は端的で素晴らしい。それは浮き世と憂き世の差です。
死生観が強く打ち出されているのが能とのことです。

プログラムも良かったです。
「第一部」 は謡いですが、稽古をしている小学生から大学生までのお披露目で、次はもちろん能楽師の登場です。そして最後は観客を巻き込んでの謡の稽古の触りでした。
「第二部」 は演目「熊坂」ですが、その前解説は演目に対することだけでなく、前述の能の時代背景のことや、能面の狭い視野を通しての能の静と動、身体能力から精神を鍛える、養うのが本文の能の精神を、お仕着せがましくなく、少しユーモラスに解説してくれます。
こうなったら「熊坂」が楽しみです。
「熊坂」は優しい演目ということも相まって十分に楽しめました。

【いもたつLife】

日時:2025年09月21日 13:30

【大歌舞伎 八月納涼歌舞伎】

一、 男達ばやり(おとこだてばやり)
粋な江戸っ子を茶化している喜劇です。
口に出したことは何があっても、命をかけても意地を通そうとします。それが面白いし、江戸という時代が懐かしくもなります。
この演目は大正15年初演の新歌舞伎で、きな臭い時代だったからこそ、このような喜劇が生まれたのでしょう。

二、 猩々(しょうじょう)/団子売(だんごうり)
二つの舞踊を、幸四郎、勘九郎の二人が続けざまにみせてくれます。
猩々は酒飲みの舞、そして尽きない酒壺酒が好きなら自分を見ます。
団子売は夫婦の舞、こちらも息が合っています。

堪能しました。

【いもたつLife】

日時:2025年08月16日 11:22

パウル・クレー展 静岡市美術館

パウル・クレーの初期から晩年の作品だけでなく、交流があった芸術家の作品も数多くありました。

年齢だけでなく、第一次大戦や第二次大戦前夜の社会情勢が作品にも現れていることが分かりますし、晩年はクレー自身が死期を悟って描いた作品もあります。
けれど、一貫して自分の表現を追い求めて行った姿勢が感じられ、様々に具現化していたこともわかりました。
初期の作品にも驚くような表現がありますが、それが進化していきます。
表現をしたいという源泉はかなりのものがあったのでしょう。そして沸き出てきたのでしょう。

2時間でも足りないほどの見応えがある展示でした。

【いもたつLife】

日時:2025年07月26日 09:55

グランシップ伝統芸能シリーズ 国立劇場 歌舞伎鑑賞教室

前半は歌舞伎、忠臣蔵の解説、後半は、『玩辞楼十二曲の内「土屋主税 一幕二場」』
第一場 向島晋其角寓居の場/第二場 土屋邸奥座敷の場
の上演です。

解説は全くかしこまっていません。歌舞伎の解説というよりも、忠臣蔵について親しみやすくなるようなトークです。もちろん「土屋主税」のことが中心です。良かったです。
後半の「土屋主税」は、当時の江戸での赤穂浪士の討ち入りを庶民がどう受け止めているか?が描かれます。
前半の解説に通じています。
忠臣蔵は創作部分もありますから、この話の登場人物の心情はどこまでが真実に近いかはわかりませんが、この脚本が当時人気であったことは事実ですから、そこは大変に興味深いです。
下手すればプロパガンダに用いられてしまいそうな危うさや大衆心理の怖さを感じます。
けれど、喧嘩両成敗にならなかった理不尽、主君を慮る気持ちに心動かされていることもくみ取れます。
それはさておき、とても面白い演目でした。

【いもたつLife】

日時:2025年07月03日 15:23

教皇選挙 2024米/英 エドワード・ベルガー

教皇選挙の舞台裏です。その映像だけでも力が入っています。
教皇は世界で一番有名になるという台詞があるようにその影響は多大です。
そのコンクラーベを仕切るのが主人公で、その苦悩が描かれます。そして、その中で渦巻く欲望も大きいモノで、それをサスペンスとして仕上げています。
ラストは予想とは少し違いましたが、現代的でした。
全く変わらなさそうな宗教的価値観も変わるかもと言う示唆は、価値観はゆっくりかもしれませんが、変わっていくことを謳っていました。

【いもたつLife】

日時:2025年05月28日 10:28

spac演劇ラーマーヤナ物語/演出 宮城聰

この劇は仕掛けが満載です。作り手が観客を楽しませるためにです。びっくりもさせてくれます。
初日はそれを満喫しました。二度目の観劇はそれを踏まえてですから、もっと細かいところに気を回せます。
今回特に歓心したのが、役者の表情です。仕草、動きで表現する、それが一度目よりもじっくり観ることができました。、ハヌマーン(たきいみき)のピエロのような表情や猿たちの機微等です。そういったムーバーだけでなく、スピーカーもです。ラーマの実加里、そのスピーカーの本田麻紀の繋がりがある表情、ラーヴァナの大高浩一と吉植壮一郎の怒りや力強さも同調しているようです。
これは私の場合は二度目の余裕がるから観劇できた収穫です。
やはりspacの新作は二度は観たいですね。

【いもたつLife】

日時:2025年05月07日 09:03

spac演劇 ラクリマ、涙 ~オートクチュールの燐めき~/演出 カロリーヌ・ギエラ・グェン

ルワンダでフツ族とツチ族が争うのは欧米(先進国)の利益が作りあげてしまいました。その利益は正義とか国際ルールと呼ばれています。この劇もその構図です。
これに大人になれない自分勝手な大人が我儘いいほだいなのだからより始末が付かなか唸ります。
そのどちらにも共通するのは弱き者を支配する力が働いているところです。

劇はその場を見せながら、離れた空間を大きなモニター三分割して、今では当たり前になっているリモートで結び付けています。ではこれで何が変わったか?
やはり強き者の方が恩恵が大きいと感じます。
劇はまた伝統工芸に光を与えています。その光(燐めき)が輝いているだけ影があることも示唆していいます。

脚本が上手くて、展開にずっと引き付けられます。全く長さを感じない3時間でした。

【いもたつLife】

日時:2025年05月06日 18:01

spac演劇 叫び/演出 小島章司

落語の一門会のように、小島章司さんを真打に総勢10名のでのフラメンコです。
身近に観たのは初めてで圧巻でしたし感激でした。
多分観客がもっと熱く声援を送るのが嗜みかなとも感じました。
歌舞伎の「大向こう」のようにです。
貴重な時間を過ごせました。

追伸
5/5は「立夏」です。二十四節気更新しました。
ご興味がある方は、干し芋のタツマのトップページからどうぞ。
干し芋のタツマ
二十四節気「立夏」の直接ページはこちら
立夏

【いもたつLife】

日時:2025年05月05日 09:00