干し場 2
平干し芋が乾くまでには、だいたい一週間かかります。
それを見越して7日分の干し場を用意しておきます。
大きい干し芋農家では、簾(すだれ)1000枚分以上の
広大な干し場になります。
なかなか壮観です。
【芋日記】
平干し芋が乾くまでには、だいたい一週間かかります。
それを見越して7日分の干し場を用意しておきます。
大きい干し芋農家では、簾(すだれ)1000枚分以上の
広大な干し場になります。
なかなか壮観です。
【芋日記】
雨よけのビニールハウス内に干し場を作り、
乾かすのが主流になっています。
(写真右奥のような感じです)
少数の農家では、今も露天で干しています。
露天の場合には、日が暮れると夜露対策のために
簾(すだれ)を重ねて覆いをします。
翌日の日の出とともに、干し場に広げます。
ハウスの場合その作業が省けるので、
どうしてもハウスが主流です。
仕上がり直前の干し芋は飴色に光ってきます。
その光かげんは露天の方が鮮やかです。
【芋日記】
干し柿が丸干し芋タイプなら、
切り干し大根は平干し芋タイプです。
こちらは、晴天が続いた場合、約一週間で乾きます。
干し芋を乾かす前に、切り干し大根。
干し芋を蒸かす前に、餅を蒸かしている農家。
干し芋作りがはじまると、てんやわんやになります。
嵐の前の静けさです。
【芋日記】
もう一押し寒さが進めば、干し芋作りが始まりのですが。
今年は雨が少ないので、干し柿は順調な仕上がりです。
干し柿は干し芋でいう丸干しタイプです。
丸干し芋と同じように、3週間から1ヶ月かかって
干し上がります。
干し柿は干し芋より気温には融通が利きますが、
晴天が、乾くための必要条件になります。
もちろん、より寒くより乾燥している方が好条件になります。
干し芋は気温、湿度、天気での乾燥条件で品質が結構変わります。
干し柿も同じです。(あまり詳しくないですが)
加工品ではありますが、「農産物だなぁ~」
と干し芋屋は思います。
【芋日記】
鍬を振っていました。
干し芋産地にいると、こういう光景をたまに見かけます。
「生計を立てるために農家をしている」
と農家の定義をすると、
このおばあさんは、もう農家ではありません。
「畑仕事をしていないと落ち着かない」
人それぞれですから、こういうおばあさんばかりではないですが、
割と聞く言葉です。
その姿には、
苦にしていない。ずっとこう生きてきた。淡々としている。
そんな感じがします。
自分が年老いた時、
毎日何をしているだろうか?
どんな気持ちで?
気にしないようにしているのか。
この時に備えて生きているのか。
深いテーマです。
【芋日記】
表面がささくれていて、松ボックリのような物体が、
畑からとれました。
スイカ位の大きさです。
実は、干し芋の原料芋です。
てっぺんは、つるの名残りです。
その太さは、それだけで、小さいさつま芋位の太さがあります。
実は、そんなにめずらしくありません。
数え切れないさつま芋が収穫される中には、
こういうのが育つこともあります。
逆に「えっ」と驚くほど小さいさつま芋もあります。
人間と同じです。
もちろん普通サイズが多いのですが、
一番多いサイズを普通、
と言うのですよね。
【芋日記】
今年は、有機コシヒカリとさつま芋=品種いずみを
会社前で育てたのですが。
有機コシヒカリはすくすく大きくなる様子が、
目に見えてわかります。
分けつも、出穂も、米が熟してゆく様子も
観察できます。
それに比べて、さつま芋は地味でした。
植えた直後は、勢いよくつるが伸びて行きます。
楽しいのはここまで。
伸びきった後は、ずっと同じです。
秋になり枯れてゆくのが、気づかれたか気づかれないか。
そんな様子ですから、誰も
「いずみ(さつま芋)どうなったかなぁ~」
なんて言うスタッフは皆無。
つい先日一人のスタッフが、
「あれ、いつまでおいておくのですか?」
との発言があり、掘り起こしました。
予想どおり? 携帯電話くらいに育ったさつま芋が4本収穫できました。
さてどうしようかと考えています。
誰一人「欲しい」という声が出なかったので。
これを種芋にして、来年30倍以上にして見返してやろうと
心に誓っています。
【芋日記】
芋掘りが終わると、ほしいも加工の準備にとりかかります。
なにせ、一年のうち、ほしいも作りは約2ヵ月半~3ヶ月、
長くても4ヶ月、短ければ1ヶ月半です。
準備は主に3種類。
1、その間に使うものを、しまいこんである所から出してきて、使えるようにする。
2、作業場を整理する。
3、干し場をつくる。
写真は、干し場をつくる第一歩です。
雨よけのビニールハウスの点検・整備です。
普段は、原料芋を作っていた畑が干し場になります。
干し場を作る第一歩です。
干し場作りm含めて、準備が以外に時間と手間がかかります。
【芋日記】
芋を掘った後、その原料芋を、
干し芋にするまでに保管する保管場所に運ぶのが一苦労。
一年の中でも大変な作業です。
畑で、袋かコンテナに入れて、持ち出します。
さつま芋は寒さに弱いために、
各農家ごとに保温対策を工夫しています。
昔は、環境が良い保管場所がなく、
畑に穴を掘って埋めていました。
この作業は大変です。埋める時だけではなく、
原料芋を持ち出す作業も大変でした。
しかし、せっかく作った原料芋が、
干し芋にならずに腐ってしまうことは農家の死活問題ですから、
保管には(今でも)非常に気を遣います 。
今でも種芋を穴で保管する農家があります。
一昨年の大寒波では、建屋の種芋が腐って、穴の種芋が無事だった。
という例もありました。
常識の想定を超えてしまうと、人工は無力ですが、
自然は対応してくれるのでしょう。
【芋日記】
収穫から干し芋にするまでに、
長ければ5ヶ月寝かすことになります。
ですから、さつま芋を腐らせないで保管することは
重要なことです。
その方法は農家によってまちまちです。
よ~く日光に当てる(原料芋も天日干し)方法もひとつです。
これは昔からのやり方です。
しかし、手間がかかるので今では、少数派です。
ということは、もっと楽な方法があるということです。
手間を省くと、短所もでてきます。この方法の良さが消えます。
しかし、それを補うことも他の方法でできます。
結局、おいしい干し芋をつくる一番重要なのは、
“心の強さ・深さ”が大事です。
【芋日記】