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ブログ 今日のいもたつ

歩いても歩いても 2008日 是枝裕和

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最初から良い映画の匂いがプンプンしていました。
好みの映画と言い換えても良いかもしれません。

個人としての人の嫌らしさとその嫌らしさは、家族だからだせるもの。
その嫌らしさは人がもつ弱さだし、可愛さでもあります。

父も母も娘も息子も孫も、誰が決めたわけでなく、
どうしようもなく自然に生まれた関係です。
その絆ってなんだろう。
それがテーマです。
それを大事にするしか誰も他にかわるものはありません。

映画は親から子の世代に移ったところでラストです。
それは子の世代から孫の世代へ、
この映画で語られた親と子が生きてきたと同じことがはじまる始まりです。
はかない人生過ぎれば早い時間に、
親子が触れるのはほんの一瞬であることを、
観るものに強く語ります。

脚本も見事です。
謎が少しずつ解けながら、新たな疑問が出ます。
それが家族の立場を説明し、これからを暗示させます。

小津映画や成瀬映画と通じてしかも、
オリジナルの是枝映画です。
とても良い映画でした。

【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】

日時: 2010年12月09日 08:19