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【spac演劇】伊豆の踊子 多々良淳之介 演出

演劇と映画とダンスが融合された楽しい演出の「伊豆の踊子」でした。
「観光演劇」と銘打たれているのが頷ける、映像には伊豆の名所が写り、ラストは原作の書生と旅芸人達と他の登場人物が現世に現れて伊豆観光を満喫している舞台とでした。

劇は、書生と踊り子たち旅芸人の旅(伊豆の映像付き)・宿でのひと時(これも映像付き)を順に追います。そして芸人たちの仕事、芸の舞台では、当時の芸の再現あり、歌あり、現代のダンス、パフォーマンスあり、そしてそれに合わせて映像(とミラーボール)を駆使して、時に観客を巻き込んで楽しませてくれます。

実直な書生と可憐で健気な踊子、そして踊り子の兄や義姉や母たちも真面目で、身分違いを超えての交流の様はとても爽やかです(役作りが上手い)。

書生はこの伊豆の旅の数日間、踊子との淡い純愛とこの一座との触れ合いが、これまでの自分を肯定させる貴重な体験になりその後の人生の転機にもなり、人生の大きな財産にもなります。

こういう体験は自分を振り返ってもあります。子供の頃、中学高校の頃、社会に出て間もない頃、いっぱしの社会人になってもその体験があるとないとでは大違いということ。
それらを心の中で再現させてくれました。
それは今の自分を作るとても大切なことで、書生と同じく今までを肯定させてくれることです。
その感覚はとても暖かく、それを導いてくれる劇でした。

最初のクレジットで豪華キャストに驚き、それらの人がちょい役で続々登場します。一度見では把握しきれませんでした。
その宝さがし感も良かったです。

【いもたつLife】

日時: 2023年11月15日 14:39