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ブログ 今日のいもたつ

【猿若祭二月大歌舞伎】

*新版歌祭文 野崎村
*釣女
*籠釣瓶花街酔醒
世話物、狂言、世話物と名作の間に一息つくプログラムでした。

釣女は落語好きにはたまりません。大笑いと苦笑いです。

野崎村は余韻溢れる演出でした。お光の純真な心の清らかさには大きな代償があり、それが久松とお染に伝わるかは最後までわかりません。もちろん伝わってはいるのですが、そのお光の気持ちが適うかは別です。そして、久松、お染、お光、人の心はどうしようもない、その心のままでは不幸になるけれど、他の道はあり得ないのです。性というか定めです。

その人の性を業とすると、籠釣瓶花街酔醒の次郎左衛門は花魁の八つ橋に翻弄されたとはいえ業そのものに支配されてしまいました。それだけ八つ橋を想っていたし、これまでの人生すべてを八つ橋にかけて幸せを手にできる一歩手前での八つ橋からの仕打ちは、次郎左衛門にとって死を掛けるほどの仕打ちだった、そこにたまたま名刀“籠釣瓶”が次郎左衛門の下にあったからの悲劇です。もし籠鶴瓶がなかったら起きなかった悲劇であり、人には宿命があるのではないかと思わずにはいられません。

三演目ともに堪能しました。

【いもたつLife】

日時: 2024年02月16日 13:30