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SPAC演劇「マハーバーラタ」演出 宮城聰

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婚礼で始まり、婚礼で終わりますが、
宴の盛り上がりは雲泥の差です。

観客も最初の婚礼では他人行儀ですが、
ラストは、ナラ王と苦楽を共にした後ですから、
身内としての嬉しさで盛り上がりました。

この演劇は終始笑いが絶えませんでした。
宮城總さんのユーモア溢れる演出です。
ハッピーエンドを予感させます。

そして、そのユーモアは古くからの日本文化と、
近い昭和の頃の日本語を意識しています。
どちらも日本語に託して日本語を大切にして表現されていました。

挿入される歌やギャグは昭和の、
長台詞の言い回しは古くからの日本文化を想わせます。
時に任侠風にも映る場面は、それも劇全体を通してみると、
活性していた頃の村の良さの要素であったことがわかります。

村社会が婚礼を挙げる時の祝いに他の村が駆けつける、
そんな連想もラストにはあります。
それはナラ王が諸国を回り成長したことと重ねています。

私たちは村の中でひとつひとつの役割がありました。
時にその役割を逸してしまうこともしてしまいますが、
遠回りしてまた元に戻ります。
きっと一人前というのは多かれ少なかれ一回りして
役を全うするのでしょう。

それができることができる人に対してのお祝いという儀式、
この演劇ではその楽しさを目一杯に表現しています。

社会の中で生きる以上、
私達は関わる人からの承認と祝福は不可欠です。
そのお祝いは盛大に、今も行った方が、当然良いに決まっています。

【いもたつLife】

日時: 2012年06月11日 07:54