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ブログ 今日のいもたつ

限りなき舗道 1934日 成瀬巳喜男

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サイレント映画ですが、ピアノ伴奏付きで鑑賞できました。
1934年の銀座の街を
色々な角度から写すシーンが続く所から映画は始まります。
そのモダンなこと。
欧米と見劣りしない街並みです。
これも日本だし、田舎での厳しい暮らしも日本です。

物語は、二人の女性、職業婦人が、成長していきます。
主人公は、絵に描いたようなおしとやかな日本女性。
もう一人は活発で、ヒロインの親友です。

ヒロインは、ふとしたことから、
上流階級の家に嫁入りします。
庶民のヒロインに対して何もないことはなく、
姑と小姑は、嫁を受け入れません。許しません。
夫は二人を抗しきれず、酒に逃げます。
ヒロインが家にいられなくなり別居した途端に事件が起こります。

それと並行して、親友は女優を夢見て挫折します。

ラストは二人共、仕切り直しの人生をスタートさせる爽やかな映画です。

良い映画です。
良いというのは、
ストーリーの展開や、人間性の追求ということではなく、
とても丁寧に造られているからです。

サイレントですから台詞は少ないのですが、
台詞は、カットとカットで現していることの
確認であるだけ位に感じました。

もちろん役者たちの演技、表情も良いし、
細かい暗示させるシーンもあり、
ユーモアもありと、
見応えがありました。

成瀬巳喜男贔屓の意見かもしれませんが、
レベルが高い作品です。

【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】

日時: 2012年06月13日 07:52