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ブログ 今日のいもたつ

2012年6月 治作

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【梅のゼリー寄せ】
梅雨の晴れ間を感じます。
サッパリ美味しく頂きました。
ウニ(夏だけの積丹ウニ)、海老、アワビ(肝も)、ジュンサイ、梅肉
彩りと風味のために、摺り柚子の小仕事がしてあります。
夏っぽいゼリーと中身もです。

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【腐乳と白バイ貝のご飯】
大好きな山椒が利いています。
腐乳の奥深くてクセがある旨みのアクセントになっています。
白バイ貝の肝とで相乗旨さです。
貝の実も甘く、ご飯があるから、
それらの味が鮮明になります。
「美味しい!」

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【お造り(柚子胡椒ゼリーの口直しつき)】
赤身、トロ、アカイカ、平貝、ヒラメ
「ここのところお天気が悪くて定番ばかりです」
とのことですが、その定番のレベルが高いのです。
あま~いアカイカ
あまりにも綺麗なので、ワサビを一口=風味豊かです。
サッパリしながらも貝甘い平貝
ヒラメがもっちりで旨みたっぷりです。
ここで柚子胡椒ゼリーこれも十分美味しいおつまみです。
赤身、いつもそうですが、キメ細かい実です。
味が詰まっています。
トロ、良い醤油が美味しくなるのが良いトロです。
エンガワ、今日のエンガワは歯ごたえが嬉しいタイプです。
料理(お造り)は包丁の芸術ということが舌で実感できます。

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【ボタンはも】
シンプルです。
でも今は、これがベスト。というお椀です。
当然の味付け最小限で、はもとジュンサイと白ウリの素の味が楽しめます。
後からは、梅味を利かせて楽しみます。
こういうのを料理というと実感します。
余談ですが、はもきりしているときからドキドキまっていた料理です。

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【ごま豆腐】
治作定番の定番です。
このタイミングがこのごま豆腐も、これからの料理もひきたてます。
そしてこのごま豆腐は、何よりも治作らしいお迎えのかたちです。
もちろん、酒の友にして味わいを深く感じました。

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【八寸】
トリガイと九条ネギの酢味噌あえ(アサリいり)
九条ネギはネギであって、ネギプラス単体野菜の美味しさがあります。
そこに上品な酢味噌が付き、その酢味噌はトリガイとアサリを引き立てます。
上手な演出の映画や演劇に出会ったようです。

ほおずき(ストロベリートマト)
トマトのようですが、ココナツミルクを入れたような甘みがあります。
日本発の南国風味のフルーツです。
まだかなりレアな食材。
治作のお客さんが品種改良に携わったため手に入ったそうです。

枝豆
おじいちゃんのとれたて絶品の枝豆をいつも食べていますが、
それと同じ美味しさです。これは実は脅威的です。

ウナギの肝
これも夏です。しかもサッパリ系の。
歯ざわりと噛むごとの甘さが味わえます。
これも酒が進んで困ります。

アンキモのソテーちり酢
ちり酢を用意していてサッパリをこの料理でも演出してくれます。
けれどちり酢は強さがあります。
だから強いアンキモと合います。
強くてでも初夏を感じる。上手い料理です。
アンキモながらフォアグラを食べているかのような錯覚を受けます。

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【焼き物 牛】
たいした牛肉です。
旨いけれど牛だけの手柄ではありません。
火加減が絶妙の技です。
そして牛肉はワサビと醤油がやたらと合います。
その両方が良い素材だからこそ、牛肉の美味しさが際立ちます。

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【焼き物 甘鯛】
付け合せのセロリがとにかく手が込んでいます。
土佐酢につけていて、たっぷりのカツオ節につけた、
これだけでも逸品です。
けれどメインは甘鯛です。

いつもと同じで、骨しゃぶりです。
目玉から頬肉は当たり前。
頭の各所をしゃぶります。
その後は肉厚のカマへ。
甘鯛は皮の旨みの香ばしさも味わえます。
もちろん肉もOKなのですが、
やっぱりしゃぶりつきの旨さです。

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【野菜炊き合わせ】
ナス、サトイモ、万願寺トウガラシ、アナゴ
ショウガが利いています。
今日の主題のサッパリです。
そして汁が美味しい。
ひとつひとつに味付けしているいない、その中間ももちろんあります。
それをひと皿にいれる仕事をしています。
どれも素材の味をだして、
ひとつの料理にしています。
これも世界観がある料理です。

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【そーめん】
今日のテーマ(でなくても)ではこれしかありません。
そしてこれも治作の定番で最高の〆です。

今日は薬味もいつものようにたくさん準備してくれましたが、
ソーメンそのものをむさぼりました。
今日のサッパリに即発されていたのかもしれません。

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【水ようかん】
ギリギリ固まっているようかんです。
とろけます。
上品で、小豆が持つ控えめな
でも主張する味。
おしとやかさを保ちつつ確かな味が秘められています。

今回も本当に堪能しました。
人間は生ものです。
だからいつも真剣に接する、
それが気合を入れてというと引いてしまうのですが、
そんな雰囲気でなく自然に、ここは迎えてくれます。

しかもお客ではなく、身内を迎えるようなもてなしであって、
けしてこちらを疲れさせない、
そんな気を許せる迎え方はできそうでできないことです。
根源はやっぱり優しさです。

【いもたつLife】

日時: 2012年06月27日 07:23