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ブログ 今日のいもたつ

孤島の王 2010諾/仏/瑞/波 マリウス・ホルスト

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1915年、島全体が少年院となっているノルウェーでの実話が基の映画です。
ノルウェーにとっては負の歴史でしょう。
どこの国にもそういう歴史はあります、そして伝えておくことはとても大事です。

閉ざされた少年院内は、自由がないのはもちろん、不条理で人格も否定されます。
大人たちのエゴや支配欲や汚職の世界で、
更生の心もありますが、つけたしにしか見えません。

少年達は厳寒の地で、大人たちのための労役をし、
性的虐待まで受けます。
食事も粗末、凍死寸前まで追い込まれることもあります。

ある時、目に余る寮長を解雇したかに見えてそうではなかったことで、
反乱が起こります。
抑えるだけ抑えられていた人間否定からの反発が爆発し、クーデターです。
しかし、軍隊の出動で一晩で鎮圧されます。

人の尊厳を問いかける映画です。
力では屈折させることができないことが、
この島でも起きていました。

1900年代の前半に世界のあちこちで起きた、
人類全体が超えるべき心があり、
その一介の事実です。
その超えるべきものを手にしていない現在まで、
これと同じことが繰り返されています。

【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】

日時: 2012年08月27日 07:37