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ブログ 今日のいもたつ

【試写会】くちづけ 2013日 堤幸彦

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まだ公開前なのでネタばれなしで。

知的障害者の社会的地位に言及している物語です。
当事者以外は誰も望まない最後を迎えます。
究極の選択でした。

何故こうなるのかを考えてしまう時点で、
障害者のこと、それを取り巻く環境のことが、
体感できていないのです。
綺麗ごとで差別しない。区別しない。
としているだけです。
じゃあどうするのという問いにも答えられません。

でもこの物語は、たまたま障害者を題材にしただけでしょう。
いつも起きている知らない実体は他にも一杯あります。

知ろうとしないではなくて、
綺麗ごとで知ってしまった感が満たされてしまう
情報が多いことが仇と思うことがよくあります。

だからこの物語の創り手も、工夫を重ねます。
琴線を刺激するために上質のエンターテインメントに仕立てます。

知ることでは何も起きないということはないはずだからです。

この試写会では、
主演、演出、脚本の宅間孝行さんの舞台挨拶がありました。
「少しでも良いと思ったら口コミしてください」
というメッセージでした。
そしてこの題材のきっかけの事件があり、
その事件は誰にも見向きもされない扱いだったとお話されていました。

笑いもあり、感動もあり、深く考えることができた映画です。
障害者のこと、その焼き写しの社会構図のことも、
多くを知ることができる映画です。

【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】

日時: 2013年05月15日 07:43