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【SPAC演劇】アンティゴネ 宮城聡 演出

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アンティゴネが法を犯してポリュネイケスを手厚く葬ったことに対しての、力が籠った討論劇です。
クレオン王の決め事は是か非か、だけでなく、法は危ういもの、だいたい人が定めたものなんて賞味期限があって当然ということを為政者は棚上げしてしまいます。
それに対して人本来の心が王と討論します。
そして、ポリュネイケスだけでなく、劇中みな死に絶えた、アンティゴネ、エステオクレス、クレオン王達を日本流に見送る日本にずっと受け継がれてきた、死者への畏敬を表現しています。

アヴィニョン演劇祭のオープニングに招待された栄誉に応えるのは日本を表現すること。が伝わってきます。

宮城演出お得意のスピーカーとムーバーが分かれる仕立てです。ワンシチュエーションの討論劇で、スピーカーの力強さを表現するムーバーです。
舞台は水を満たした岩場をイメージさせます。
そこは闘いの場であり、三途の川であり、でもラストは壮大な精霊流しです。
私たちの魂がよりどころになるそんな場を提供してくれた演劇でした。

【いもたつLife】

日時: 2017年05月12日 09:07