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ブログ 今日のいもたつ

エ/ン/ジ/ン

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主人公の原点を通した経緯から、
どこにでもいるような若者が関わり(関わる過去があった訳ですが)
それを著者に語るという進行の面白さを筆頭に、
「宇宙猿人ゴリ」という懐かしい特撮を絡めたり、
作中に短編小説が入っていたりと、
読み応えがある作品でした。

ファンタスティックでもあるし、
普通の男が活躍する嬉しい物語でもあるし、
表現描写も楽しませてくれる、そんな良い本ですが、
この作品の背景が、読んでいる最中に気になりました。

20世紀が、人間の欲が暴力として目にあまる顛末になったこと
(古来から戦争はあったことはもちろんですが)
先進国を主導に、経済が今までのスピードとは比較にならないくらいに
成長したこと(たぶん推測ですが)

20世紀後半には、その中で「何も疑わないで生きた人達」
もいれば、「うまく生きれなかった人達」もいました。

そのうまく生きれない人の心を通して、
20世紀を考えてしまいます。

著者は21世紀のこれからを、
ミライと隆一=これから中心になる世代に、
託したい思いが込められていたように感じました。

【いもたつLife】

日時: 2009年04月07日 07:02