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【spac演劇】XXLレオタードとアナスイの手鏡 チョン・インチョル演出

スクールカーストを扱っていますが、かなりコミカルでまるで問題なしとの雰囲気を醸し出していますが、かえってそれが問題の根深さを感じます。
この劇は2014年のセウォル号事件がきっかけで制作されたとのこと。事件は韓国に巣くう歪が露わになり、それらが劇中に盛り込まれているようです。
ですから、一見なにげなさの中に波乱がふくまれていると解釈しました。
また、舞台は三方が壁で被われていて観客席にだけ開かれています。舞台から楽屋に行けない構造です。閉鎖された空間はスクールカーストを産む土壌であり、ひいては韓国社会のかつてのありようなのでしょう。
その三方塞がれた舞台では観客席から登場した役者たちは劇中ずっと舞台上です。演技をしていない時でもそこにいるということは、直接の関係がない時も、他の役者に影響を与えている効果が出ると解説されていました。
確かに、人間関係というのは直接のやりとりでだけで関係が出来上がるわけではありません。それを強調している演出でした。
重たいテーマではありますが、とても見やすくてところどころ笑いが起こります。80年代のコミカルな日本映画を私は連想しました。

【いもたつLife】

日時: 2023年05月09日 12:39