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ブログ 今日のいもたつ

フィッシュ・タンク 2009英/蘭 アンドレア・アーノルド

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世の中に精一杯自分の力だけで抵抗している15歳の少女主人公ミア。
彼女が一回り大きくなって、もう一度突っ張る事を決める物語です。

研ぎ澄まされていないナイフを、研ぎ澄ましながら、
世の中すべてに立ち向かう少女、そんな生き方をしています。

崩壊しているような家庭、母親からは“生まれていないはず”とまで言われる家庭、
そして、誰一人彼女に寄り添うことなく、
互いに、生きていることを突っ張ることで明かす、そんな生活環境下にいます。

でも彼女も15歳の少女の心があります。
ある日現れた男、母親の愛人は、彼女にとって、
もしかしたら、精一杯生きなくても彼女を守ってくれる男として写ります。

それが幻想だと体験するのはすぐでした。
もしかしたら、すぐだから良かったといえるかもしれません。

彼女は決します。
やはり自分の生き方を貫くことを。
清々しいほどの姿です。
この後、何度も同じような挫折を経験することは明らかです。
でも、それを受けても受けて超えることができることを得ることを、
観客はこの映画で観ました。

監督は、ダンスにかける姿の主人公を通して、
音楽で彼女の心境を表現します。
同じく、鎖につながれた馬や、釣った魚でも、主人公の髪型でも。
そこにどんな真意を見つけるか、
そういう部分に表現の巧みさを強く感じる映画でした。

【銀幕倶楽部の落ちこぼれ】

日時: 2012年11月16日 07:27