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ブログ 今日のいもたつ

醜聞 1950 日 黒澤明

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「星が生まれるのを見たんだ」
「その感激に比べれば勝利なんて・・・」

志村喬が演じる、ウジ虫弁護士が晩年“人間”になる物語です。
その根底の人間の性が、うまく描かれています。

変わろう変わろうと言って変われない人たち、
みんなそろって「明日こそは」「来年こそは」と言います。
変われなくてウジウジする奴らと、それを利用する輩たち。

それらとは対照的な理想を貫く主人公の三船敏郎、
聖女のようなウジ虫の娘。

変わりたいというのは、その場所に自分を置いています。
私も“今”から抜け出したい心があります。
それはいつも誰も持つでしょう。

それよりも今どこに自分がいるか知る。
それが大事です。それがわかればいたくない場所にはいません。

予断ですが、
聖女のような娘は、フェリーニの「崖」に登場した、
詐欺師が改心するきっかけになった、聖女のような娘と重なりました。

【いもたつLife】

日時: 2009年10月30日 07:22